松野博一官房長官(写真)は9月5日午前の記者会見で、ロシア軍が北方領土(北方四島、ロシア名:クリル諸島)で軍事演習を行ったことは「極めて遺憾だ」とし、今後、演習全体の状況を注視して適切に対応していくと述べた。都内で昨年10月撮影(2022年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

北方領土でのロシアによる軍事演習、極めて遺憾=官房長官

[東京 5日 ロイター] – 松野博一官房長官は5日午前の記者会見で、ロシア軍が北方領土(北方四島、ロシア名:クリル諸島)で軍事演習を行ったことは「極めて遺憾だ」とし、今後、演習全体の状況を注視して適切に対応していくと述べた。

北方領土は日本が領有権を主張し、ロシアが実効支配している。松野官房長官によると、ロシア国防省が3日、大規模軍事演習「ボストーク」の一環として択捉島と国後島で軍事演習を行ったと発表した。演習は7月26日にロシアが実施計画を発表しており、日本政府は実施地域から北方四島を除外するよう強く求めていた。松野長官は、日本の抗議にもかかわらず演習が行われたことに遺憾の意を示した。

3日の演習では、ロシアと中国の艦艇計6隻が北海道の神威岬の西約190キロメートルの海域で機関銃を射撃したことを防衛省統合幕僚監部が確認している。松野長官は「引き続きこれらの艦艇の動きを重大な関心を持って注視し、日本周辺海域における警戒監視活動に万全を期す」と述べた。

主要7カ国(G7)財務相会合においてロシア産石油の価格上限設定で合意したことについては、制度の詳細を今後関係国と協議していくとしつつ、「ロシアのエネルギーによる収入を制限しつつ、各国のエネルギー安定供給を確保する方策として有用だ」との認識を示した。

G7の財務相は2日開催したオンライン会合で、ロシア産石油および石油製品の価格に上限を設定する措置を導入する方針で合意した。

(杉山健太郎 編集:田中志保)

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