朝鮮労働党委員長・金正恩氏(STR/AFP/Getty Images)

北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射=防衛省

防衛省は29日20時53分、北朝鮮から弾道ミサイルの可能性があるものが発射されたと発表した。NHKなどによると、日本の排他的経済水域(EEZ)に落下したとみられる。海上保安庁は今後の情報に留意するとともに、落下物を認めた場合は近づくことなく、関連情報を海上保安庁に通報するよう呼びかけた。

岸田総理は北朝鮮によるミサイル発射を受け、①情報収集・分析に全力を挙げ国民に迅速・的確に情報を提供②航空機や船舶などの安全確認を徹底③不測の事態に備え万全の態勢をとることの3点を関係省庁に指示した。

北朝鮮は25日に1発、28日に2発発射している。北朝鮮によるミサイル発射は今年で21回目となる。

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何てことをしてくれるのかーー。北朝鮮が弾道ミサイルを発射したとの報を受け、在日朝鮮人のパク・ヨンさん(仮名、40代)は肩を震わせた。おりしも日本と北朝鮮はサッカーで予選枠を競っていた。冷酷で傲慢な金正恩体制、日本での静かな営み。二国間のはざまで在日朝鮮人は複雑な思いを抱えていた。
外交関係者の話によると、北朝鮮は国連制裁に違反し、中国の10以上の都市で北朝鮮人従業員を雇用した50以上のレストランを経営しているという。これらレストランの収益の大半は、北朝鮮政権によって核・ミサイル開発資金に充てられていると見られている。
北朝鮮情勢を語る上で、中朝露の三角関係を考慮せずにはいられない。北朝鮮が領土的野心をあらわにし、イランも核開発を加速させるなか、世界情勢のきな臭さは一段と増している。
北朝鮮が立て続けにロケットを打ち上げる背景には、中露という「悪の枢軸」と米国との熾烈な駆け引きがある。大国間のパワーゲームを理解することで、北朝鮮の核・ミサイル問題の本質を見定めることができる。
岸田文雄首相は21日朝、北朝鮮が人工衛星を発射すると通告してきたことを受け、「弾道ミサイル技術を使用するなら一連の国連安保理決議違反」と非難した。