岸田文雄首相は29日夕、総合経済対策の策定を30日に指示すると正式表明し、物価高や円安への対応で思い切った対策を打つと強調した。写真は都内で2021年10月代表撮影(2022年 ロイター)

岸田首相、物価高や円安「思い切った対策」 30日に指示

[東京 29日 ロイター] – 岸田文雄首相は29日夕、総合経済対策の策定を30日に指示すると正式表明し、物価高円安への対応で思い切った対策を打つと強調した。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を書面で説明した細田博之衆院議長の対応については、三権分立を理由にコメントを控えた。

岸田首相は記者団に対し、30日の閣議で総合経済対策の具体的な柱立てを指示すると明らかにした。物価高や円安への対策、構造的な賃上げ、成長への投資と改革などを重点分野として挙げた。

天然ガス価格の高騰で一段の値上げが予想される電力料金対策の重要性を指摘し、「激変緩和を目的とした新たな制度を創設し、国民生活とコストアップの転嫁が困難な企業の活動を守る」と強調。「経済対策の策定プロセスの中で、与党と具体的な制度内容について意見交換を行い10月末の取りまとめを行う」と述べた。

<細田議長の旧統一教会対応「自ら判断するもの」>

旧統一教会関連のイベントへの参加を説明した細田議長について、会見を開かない書面のみの対応が適切か問われ、首相は、衆院議長は三権の長であり、対応は自ら判断するものと指摘するにとどめた。「三権の長に対し、何か指示や働きかけを行うのは、三権分立の考え方からしても、いろいろな問題を含み、考えないといけない課題」と付け加えた。

世論が割れた安倍晋三元首相の国葬については、今後国葬を開く場合、国民の幅広い理解を得ることができるよう「適切な金額や規模」などについて必要な検討を行うと述べ、「幅広い有識者から意見を募り国葬の論点を整理する」との意向を示した。今回の国葬費用についても速報値や概算を公表するとした。

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