幼児教育 昔の人は子供のころから何を勉強するのか?【雅(みやび)を語る】
『易経』(えききょう)には「子どもは正しい教育を受けなければならない」(蒙以養正、聖功也)という一文があります。つまり、子どもの頃から正しい教育を受けさせ、正しい道へと導くことは、非常に大事な事です。
昔の中国では、啓蒙教育として最もよく使われている書物が三つあり、それぞれ『三字経』(さんじきょう)『百家姓』(ひゃっかせい)『千字文』(せんじもん)です。『千字文』は南北朝時代(439年-589年)に完成され、世界で最も長く使用された子どもの学習書とされています。
『千字文』は「天地玄黃(てんちげんこう)、宇宙洪荒(うちゅうこうこう)」から始まり、天地玄黃(てんちげんこう)の玄は黒を指し、「天は黒、地は黄」と、昔の人は、太陽が昇る前の夜空こそ、空の本来の色であると認識しています。
宇宙洪荒(うちゅうこうこう)について、洪水という解釈があります。東洋文化でも、西洋文化でも、人類の文明は大洪水の後から始まったと記録されており、東洋文化では禹の治水、西洋文化ではノアの箱舟があります。無限に広がる宇宙の中に星々が存在し、日月が交替して、それから生命が創造される。
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