岸田文雄首相はNPT会議への出席を明らかにした (Photo by Kiyoshi OTA / POOL / AFP) (Photo by KIYOSHI OTA/POOL/AFP via Getty Images)

岸田首相「防衛力を全面的に見直す」 英FT紙インタビューで

岸田文雄首相は英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューで、東アジアが取り巻く安全保障環境が「ますます厳しくなっている」とし、日本の防衛力を全面的に見直すと述べた。岸田政権は12月公表の国家安全保障戦略に見直しの結果をまとめる予定だという。

同紙によると、日本政府が新たな国家安全保障戦略を発表するのは10年ぶり。北朝鮮のミサイル発射、中国の活発な軍事活動、ロシアのウクライナ侵攻など、日本が「敵対的な政権に囲まれている」と同紙は指摘。

岸田首相はFT紙に対し「日本の防衛力が十分であるかを徹底的に検討する必要がある」「東アジアで起こりうるあらゆるシナリオに対応し、国民の命と生活を守る準備を万全にしたい」と述べた。

日本は、2024年3月までの1年間の国防予算を約11%増額し、6兆円以上にする計画を立てている。また敵基地攻撃能力、北朝鮮や中国本土に届く射程距離1000キロを超える国産巡航ミサイルの開発に力を入れている。

岸田首相によると、日本は防衛力強化の一環として、米国のほかに英国とも関係を再構築している。日英両国間で戦闘機の共同開発に向けて協議を進めている。

中国について、首相は日本企業が数十年にわたり中国に多額の投資を行っており、「中国は日本の最大貿易相手国であるため、日本にとって大きな戦略的課題だ」との見解を示した。また「日本は中国の隣国であり、中国とどのような距離を保つかは、非常に重要かつ難しい問題だ」とした。

首相は、中国が台湾に侵攻した場合、日本がどう対応するかについてはコメントしなかった。ただ「アジアの安全保障は欧州の保障と切り離せない」と強調したうえで、主要国首脳会議(G7)で唯一のアジアの国である日本は引き続きウクライナを支援し、ロシアに対して厳しい政策を課していくと表明した。

岸田氏は、日本のこの姿勢が東アジア、特に中国に「適切なメッセージ」を送ったことを願うと述べた。

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