生き残りかけた派閥争い 習近平は自滅する?【世界の十字路】

最高指導部をはじめ、各要職をすべて自身の側近で固めて、異例の三期目に入った中国の習近平国家主席は権力を独占しているように見えますが、様々な反撃がすぐにでも起こる可能性が高いと思います。今回の党大会での人事刷新で、習氏は党内の共青団派、江沢民派、特権家族をすべて敵に回しただけでなく、前朝の元老たちまで全員怒らせたのです。さらに、習氏の「ゼロコロナ政策」で、中国経済は大打撃を受け、国民のうっぷんや不満は限界にまで達し、反政府デモは後を絶ちません。ですから、今後、習氏はありとあらゆる問題や新たな党内闘争に直面することになるでしょう。

胡錦濤氏は10年前に習氏に政権のバトンを渡す前、習氏のためにクーデターを起こそうとしていた薄熙来や周永康を排除し、自分の全権力を引き渡しています。つまり、胡氏はいわば習氏の恩人と言えます。しかし10年後、習氏はあのような形でその恩人を「見せしめ」にして大衆の目の前で追い出しました。このような恩を仇で返す行為は、当然ながら胡氏の率いる共青団(共産党青年団)をはじめ、各派閥を激怒させています

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