FBI長官、米都市での中国「警察署」設置に懸念表明
[ワシントン 17日 ロイター] – 米連邦捜査局(FBI)のレイ長官は17日、上院の委員会で、中国政府が法的に認められない「警察署」を米国の都市に設置し、影響力工作を展開する可能性があることを深く懸念していると述べた。
欧州の人権団体、セーフガード・ディフェンダーズは9月に出した報告書で、ニューヨークを含む世界の主要都市に数十の中国警察署があると明らかにしていた。
報告書は、海外に住む中国人やその親族を中国で刑事罰に問うために帰国を促す取り組みの一環だとしており、対外的な世論工作を担う中国共産党の「中央統一戦線工作部」の活動とも関連しているとした。
関連記事
フランス当局は、中国共産党が国内に設置した9か所の秘密警察署を閉鎖したと発表。欧米各国は中共の越境弾圧に対抗し、連携強化を進めている。
カナダの外国干渉に関する最終報告書で、中共の統一戦線工作部の華人コミュニティ団体やカナダの選挙への干渉や、偽情報を用いた世論操作の可能性について実態が報告された。議会内には「裏切り者」がいるという証拠は確認されなかった。
中国の異議人士、凌華湛氏がフランスで中共特務に迫害された事件が報道されている。凌氏は中共特務による脅迫や買収、拘禁、拷問の詳細を新唐人のインタビューで語り、フランス政府に対し、中共の越境弾圧に対する厳しい取り締まりを求めた。特に、彼の家族やウイグル人への迫害も含め、中共の行動に対する強い警戒を呼びかけている。
米国の国家情報長官(DNI)オフィスは現地時間11日、中国共産党関係者は海外に逃れた反体制派への嫌がらせとして、複数の国で爆破予告を行なったと指摘、中国は今や「国境を越えた弾圧」の最大の加害者になっていると記した。
韓国警察はこのほど、中国共産党(中共)の海外秘密警察署と指摘されている、ソウル市内の中華料理店のオーナーを務める王海軍氏の自宅を家宅捜索した。総選挙が1カ月後に迫るなか、中共の影響力を排除する狙いだ。