人生の3分の1を過ごす場所 ベッドについて(下)

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(続き)

ベッド」は共有スペース

南北戦争が終わるまで、多くのアメリカ人にとって、旅行とは、友達や見知らぬ人と部屋を共有し、たまには同じベッドで寝ることを意味していました。
今日の文化とは、まったく異なります。

「兵士たちの夢」(1888年、ジャン=バティスト・エドゥワール・ドゥタイユ作/パブリックドメイン)

例えば、1776年の秋、ジョン・アダムズとベンジャミン・フランクリンはニュー・ジャージー州のあるホテルの同じ部屋で一晩を過ごしました。

アダムズとフランクリンが一緒に寝た小さなベッドと異なり、一部のホテルや個人の家では非常に大きなベッドを使用し、パジャマパーティーを開いたり、川の字になって寝たりします。

眠れない夜、ベッドはただのベッドではない

「ゴールデンロックの物語」(1870年、シーモア・ジョセフ・ガイ作/パブリックドメイン)

小説家のアンソニー・バージェスは、「On Going to Bed」という作品で、睡眠に関する面白い物語を記しました。例えば、夢、夜驚症(やきょうしょう)、不眠症、夢遊病など、様々な情景が描かれています。

バージェス氏は、エジプトのヘテプヘレス1世王妃とファラオツタンカーメンの精巧なベッドを描写した後、「国王と王妃は豪華なベッドで寝ているが、地面で寝る農民より、ぐっすり眠れないだろう」と書きました。

現在、低反発マットレスや赤ちゃんの肌のような柔らかいシーツが普及しても尚、多くの人は睡眠に悩まされています。発展している睡眠薬市場、多くのよりよく眠れる方法に関する記事などから、現代人の睡眠に関する煩悩が十分に伺えます。

ベッドのバリエーション

バージェス氏は長年、自分のベッドでなく、床に敷いたマットレスで寝ていました。彼は高いベッドから落ちることを心配しており、またマットレスの周りに本や茶道具、レコードプレーヤー、小さな冷蔵庫などを置いていました。

そんなバージェス氏のマットレスをベッドと見なすことはできるのでしょうか。人それぞれの習慣とベッドへの定義によって、「イエス」と「ノー」に分かれることでしょう。非常に多くの人がマットレスで夜を過ごすことを考えると、答えはイエスです。私自身も、藁(わら)で寝たことがあるので、答えは当然、イエスです。では、リクライニングチェアやヨギボーはどうでしょうか?

バージェス氏は自分のマットレスについて、「これは、休息、睡眠、愛、執筆、読書、音楽鑑賞ができて、定義を持たない特別なベッドである」と書きました。
干し草や筵(むしろ)で眠る農民であれ、豪華なベッドで眠る貴族であれ、休憩できて、ぐっすり眠ることができれば、その場所をベッドと呼んでも良いのではないでしょうか。

「The Love Dream」(エットーレ・ロースラー・フランツ作/パブリックドメイン)

それでは、読者の皆様、おやすみなさい。

(完)