効能の宝庫!!【クルミ】は心血管疾患の予防に効果的

クルミは薬効が高く、脳を活性化させる効果があることで知られています。 しかし、単なる脳の強化のみならず、多くの薬効があり、現代医学では研究によりクルミの様々な効能が発見されています。

クルミは毒性がなく、胃を丈夫にし、血を養い、肺を潤し、精神を養う働きがあるそうです。 クルミの薬効は、中国の古典的な医学書にも多く記録されています。 
その一つが唐代の書物『食療本草』で、クルミを食べると胃を鎮め、血を潤し、肉や骨をより繊細にすると書かれています。 明代の李時珍の『本草綱目』には、クルミは肺や腎を温め、血を養い、乾きを潤して痰を解消し、肺を温め、腸を潤すと書かれています。

クルミはどこも宝物

クルミは花、葉、実も薬になる、お宝が詰まっているんです。 例えば、クルミの花には、胃腸の蠕動運動を促進し便秘を解消・予防したり、体内のコレステロールの代謝を促進し、血圧や血中脂質を低下させたりする効果があります。 クルミの葉には解毒作用とむくみ防止作用があり、白斑や疥癬(かいせん)の治療に用いられます。 クルミの皮は苦味と渋味があり、殺虫やかゆみ止めに効果があり、水虫や乾癬に有用です。

また、クルミは髪や肌の美容にも良いとされています。 クルミは長期間摂取することで、髪を黒く艶やかにし、早期の白髪や枯れた髪に良いとされています。

日本の漢方医である柯夏さんは、エポックタイムズのインタビューの中で、クルミは神経衰弱も改善すると述べています。 めまい、不眠、動悸、物忘れ、腰や膝の衰えなど、全身の衰弱に悩む高齢者は、毎日朝晩1〜2個のクルミを食べれば、強壮治療になるといいます。

現代医学:心臓と脳血管への健康影響

クルミには、リノール酸、α-リノレン酸、タンパク質、亜鉛など、有益なミネラルや脂溶性ビタミンが豊富に含まれています。 リノール酸は血清LDLコレステロールを低下させる効果があり、α-リノレン酸はトリグリセリドと超低密度リポタンパク質コレステロール値を低下させる効果があります。 動脈硬化や心血管系疾患の患者の健康維持に有用です。

現代の科学的研究でも、クルミの様々な効能が確認されています。 今年7月31日にアメリカの学術誌「Nutrition, Metabolism and Cardiovascular Diseases(NMCD)」に掲載された研究論文で、このことが確認されました。

1985年、ミネソタ大学公衆衛生学部の研究者たちは、18~30歳までの健康な男女3092人を被験者として選び、クルミを食べる人、他のナッツを食べる人、まったく食べない人に分け、30年間にわたって食事と健康情報を追跡し、心血管疾患のリスクを含む健康状態を評価しました。

その結果、クルミを食べた人は、他のナッツ類を食べた人、クルミを食べなかった人に比べて、心血管疾患に関係する肥満度、血圧、コレステロール値、中性脂肪値が低いことがわかりました。

研究者によると、クルミは植物性のオメガ3であるα-リノレン酸(2.5g)を豊富に含むナッツで、心臓発作の軽減、脳の健康、アンチエイジング効果があるとされています。

柯夏さんは、毎日少量のクルミを摂取することで、心血管指標の改善、ひいては脳の老化を遅らせる効果が長期的に得られることを示唆しています。 ただし、クルミは炎症をおこしやすく、脂肪分を多く含んでいるので、食べ過ぎると炎症を起こすことがあります。 

李家維
王佳宜