1月31日、米ホワイトハウスは31日、インドとの戦略的パートナーシップを強化し、「米印重要・新興技術イニシアチブ」を立ち上げた。写真はインドと米国の旗。ニューデリーで2006年2月撮影(2023年 ロイター/B Mathur)

米、AIなど重要技術でインドと連携強化 中国に対抗

[ワシントン 31日 ロイター] – 米ホワイトハウスは31日、インドとの戦略的パートナーシップを強化し、「米印重要・新興技術イニシアチブ」を立ち上げた。バイデン大統領は軍事機器、半導体、人工知能(AI)などの分野で中国に対抗するのに役立つと期待を寄せている。

サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)とインドのドバル国家安全保障担当補佐官がホワイトハウスで両国の高官らと会談した。

サリバン氏は「経済慣行や積極的な軍事行動、未来の産業とサプライチェーンを支配しようとする試みなど中国がもたらす課題が大きくなっており、インドの考え方に多大な影響を与えている」と指摘。

「これはインド太平洋の民主主義国全体を強靭な立場に置くという総合的な戦略の大きな基礎となる部分だ。米印間のエコシステムを深化させることがわれわれの戦略、経済、技術的利益につながるという考えに基づく二大国による戦略的な賭けだ」と語った。

この新たなイニシアチブには宇宙や高性能量子コンピューティングに関する協力も含まれる。

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