2月20日、フィリピンと米国は、南シナ海を含む海域における沿岸警備隊の共同パトロールの実施について協議している。写真はフィリピン・パラワン州沖で、中国沿岸警備隊の船の方向から発せられた緑色の光。6日、フィリピン沿岸警備隊の提供写真(2023年 ロイター)

フィリピンと米、沿岸警備隊の南シナ海共同パトロールを協議

[マニラ 20日 ロイター] – フィリピンと米国は、南シナ海を含む海域における沿岸警備隊の共同パトロールの実施について協議している。フィリピン政府当局者が20日明らかにした。

フィリピンは南シナ海での中国の「強引な活動」に対する批判を強めており、南シナ海の領有権問題は米中間で海軍の運用を巡る緊張の火種にもなっている。

フィリピン沿岸警備隊の南シナ海問題担当報道官はCNNフィリピンのインタビューで、米国との協議は初期段階を越えて進展し、共同パトロールを実施する可能性は高いと語った。

報道官は検討に入っているパトロールの規模や開始時期については詳細を明かさなかった。

米国防総省は今月、米国とフィリピンが「南シナ海での共同海上パトロールの再開で合意した」と発表している。

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