米ホワイトハウス(Samira Bouaou/大紀元)

米、中国によるロシアへの殺傷兵器提供を懸念 機密情報の公開も検討=報道

バイデン政権は中国によるロシアへの武器供与に関わる機密情報を公開するすることを検討している。米紙ウォール・ストリートジャーナル(WSJ)は23日、匿名の情報筋の話に基づき報じた。

ホワイトハウスのカリーヌ・ジャンピエール報道官は23日の記者会見で、情報公開に関して明言は避けた。いっぽう中国は現時点でロシアに対し直接の軍事支援を行っていないが、そのような援助を否定もしていない、と述べた。

「引き続き監視を続け、必要な際には声明を発表する」とジャンピエール氏は述べた。

中国はロシアとの緊密さを隠しておらず、米国は武器供与がレッドライン(越えてはならない一線)になるとも警告を送っている。20日付のWSJによれば、米当局者らは昨年末から複数回に渡って中国側に、ロシアによる戦争支援が「レッドラインに近づいている」との見方を伝えていたという。

ブリンケン米国務長官は19日、中国がロシアに戦場での使用を想定された非殺傷兵器を供与していることは「確認済みだ」と明らかにした。

そのうえで、現在の懸念要素は中国が殺傷兵器の供与を検討しているとの情報の扱いをめぐるものだとした。

CBSニュースの取材に応じたブリンケン氏は、ロシアに殺傷兵器を提供すれば「米国および米中関係に深刻な問題をもたらす、とはっきり中国側に伝えた」という。殺傷兵器とは「弾薬から兵器そのものまですべてだ」と語った。

中国は米国に次いで世界第2位の軍事支援国だが、現時点でどのような種類の兵器や軍需品が中国からロシアに供与されるのかは不透明だ。

北大西洋条約機構(NATO)もまた、中国がロシアに対して殺傷力のある兵器を供与することを検討し、計画している可能性がある兆候を確認していると表明している。

NATOのストルテンベルグ事務総長はロイターの取材に対し、「米国や他の同盟国は極めて明確に警告している。中国は当然、ロシアによる違法な戦争を支援してはならない」と警告した。

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