米軍は、黒海上空の国際空域を飛行していた米軍の偵察ドローン(無人機)がロシアの戦闘機と衝突し、黒海に墜落したと発表した。写真はロシアの戦闘機「Su─27」。2015年8月、ロシアで撮影(2023年 ロイター/Maxim Shemetov/File Photo)

米偵察無人機、ロシア戦闘機と黒海上空で衝突・墜落 ロは否定

[ワシントン/ブリュッセル 14日 ロイター] – 米軍は14日、黒海上空の国際空域を飛行していた米軍の無人偵察機MQ9リーパーがロシアのスホイ27戦闘機と衝突し、黒海に墜落したと発表した。

米側の説明によると、ロシアの戦闘機2機がMQ9の進路を妨害し、うち1機がMQ9のプロペラに衝突。衝突前、ロシア戦闘機は数回にわたり燃料を浴びせ、MQ9の前方を危険な操作で飛行したという。

米欧州空軍のジェームズ・ヘッカー司令官は声明で「米軍のMQ9は公海上空で定期的な活動を行っていたが、ロシア軍の妨害を受け衝突し墜落した。MQ9は完全に失われた」と説明した。

ロシア国防省は「ロシアの戦闘機は搭載された兵器を使用せず、ドローン(無人機)と接触することもなく、無事にロシアの飛行場に帰還した」とし、米ドローンとの接触を否定。米ドローンは「激しい操縦」によって墜落したと主張した。

米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は「安全でなく、プロフェッショナルでない行動だ」と述べた。

また「われわれは1年前から一貫してこの空域を飛行しており、今後もそうするつもりだ」と強調。「公海上空での飛行前にロシア側と何らかのチェックインをする必要はない。そうする必要はないし、そうすることもない」とした。

バイデン大統領は状況説明を受けたという。

米国防総省のライダー報道官は、ドローンはロシアの戦闘機に衝突された際に生じた「損傷により、実質的に黒海に墜落せざるを得ない状況にあった」とし、損傷を受けたドローンは基本的に飛行不能だったと言及。ロシアは現時点で墜落したドローンを回収していないと明かした。

米国務省のプライス報道官は、ロシアのアントノフ駐米大使を同省に呼んだことと明らかにした。

同省高官によると、ドンフリード国務次官補(欧州・ユーラシア担当)が「ロシアによる黒海上空での安全性を欠くプロフェッショナルでない行動」の結果、米無人機の墜落につながった事案について、アントノフ大使と協議した。

プライス氏は、米国のトレーシー駐ロシア大使がロシア外務省に強いメッセージを伝えたほか、米当局者がこの件に関して同盟国やパートナー国に説明したことも明らかにした。今回の事案は「国際法違反」との認識も示した。

一方、アントノフ氏は米国務省への呼び出し後に「われわれはこの事案を挑発とみている」と述べた。ロシア通信(RIA)が伝えた。

北大西洋条約機構(NATO)の当局者によると、NATOの欧州連合軍最高司令官も同盟国に状況を報告した。

無人偵察機MQ9リーパーは米ゼネラル・アトミックスが製造。全長11メートル、翼幅20メートルの機体を持ち、燃料タンクが空の状態の重量は約2200キロ。

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