最終戦争 | 第二章:「見えない」第三次世界大戦

2020年初め、中国のほぼ全ての国営メディアが、「視点を変えればこれは第三次世界大戦だ」と題する記事を転載した。中国共産党にとって、あの未曾有のパンデミックは世界的な公衆衛生上の危機などではなく、「100年に一度のチャンス」であり、世界秩序をリセットし、自らを新たなグローバルリーダーへと導くための歴史的事件だった。

この第二章では、彼らがいかに世界的なパンデミックを武器化し、目に見えない情報戦と心理戦を展開して自由世界の市民が民主主義制度に抱く信頼を打ち砕いたかを見ていく。中国共産党政権はいかに米国社会に不和をもたらし、米国の衰退と中国の権威主義・共産主義の台頭の必然性を宣伝してきたのか、その実態を探る。

第三次世界大戦。この新たなシグナルは、タリバンやパンデミックよりはるかに深刻な安全保障上の脅威だ。これが単なる比喩なら理解できる。中国政府がパンデミックの世界的被害を喩えただけなら。しかし、この危機が、新たな世界大戦に向けた中共の壮大な計画に有利に働くならどうだろうか。テロを支援する中国政権が米国に目をつけたら、米国はこの第三次世界大戦の標的になるのだろうか。

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