激しい戦闘が続いているウクライナ東部ドネツク州のバフムトの戦況について、ロシア軍が後退しているとウクライナ軍とロシア民間軍事会社ワグネルの双方が指摘した。 写真は5月18日、ウクライナ東部ドネツク州バフムト近郊の前線で戦闘に用意するウクライナ軍の兵士(2023年 ロイター/Sofiia Gatilova)

ロシア軍、バフムトで後退 ウクライナ軍とワグネルの双方が指摘

バフムト近郊(ウクライナ東部ドネツク州)/キーウ 18日 ロイター] – 激しい戦闘が続いているウクライナ東部ドネツク州のバフムトの戦況について、ロシア軍が後退しているとウクライナ軍とロシア民間軍事会社ワグネルの双方が指摘した。

ウクライナのマリャル国防次官は18日、「ロシア軍は予備軍の大部分をバフムトに集結させ、態勢を強化した」とし、ロシア軍はバフムト市で一日中攻撃を続けたが、ウクライナ軍はこれを撃退したと対話アプリ「テレグラム」に投稿。ウクライナ軍はバフムト南西部を制圧しているほか、いくつかの地点で1キロメートル前進したとしている。

ウクライナ軍が前進する中、バフムト作戦を主導してきた民間軍事会社ワグネルと、ロシア正規軍との亀裂が浮き彫りになりつつある。

ワグネルを率いるエフゲニー・プリゴジン氏は、ワグネルの戦闘員はバフムト市内で前進しており、バフムト市西部の郊外にある一群の建物にある最後の足場からウクライナ軍をまもなく撤退させると表明。

同時に、ロシア正規軍の司令官はバフムトの北と南の地点を放棄しており、ウクライナ軍に包囲される危険性が高まっていると指摘。18日に公表した音声メッセージで「残念ながらロシア正規軍はバフムト北方へ最大570メートルの地点まで撤退し、ワグネルの陣地の側面が(ウクライナ軍に)露出された」とし、 ロシアのショイグ国防相とゲラシモフ軍参謀総長に対し、自身の声を聞くよう訴えた。

ロシア国防省は、ここ1週間でバフムト近郊から一部撤退したことを認めている。

関連記事
4月20日、アメリカ下院は360対58の圧倒的多数で「21世紀の平和実現のための法案」を可決した。同法案は、中国本土系動画配信アプリ「TikTok(ティックトック)」について、運営会社に対し早期の事業売却を求める。
アメリカのマイク・ジョンソン下院議長が中国共産党首魁の習近平、ロシアのプーチン大統領、そしてイランを「悪の枢軸」と呼んだことに対し、在米中国共産党大使館の報道官はメディアの取材で不満を示した。
複数の米政府高官は12日、中国が工作機械や超小型電子機器、ドローン、巡航ミサイルなどの軍事兵器を大量供給することで、ロシアの対ウクライナ軍事行動を支援していると語った。
ウクライナのゼレンスキー大統領は26日、ダニロフ国家安全保障・国防会議書記を解任した。後任はオレクサンドル・リトビネンコ対外情報局長官。
欧州連合(EU)のオサリバン制裁特使は21日、ウクライナに侵攻したロシア軍を支援する可能性がある製品の中国からの輸出に対処する措置を、同盟国と検討していることを明らかにした。