米国では中国共産党による強制的な臓器摘出「臓器狩り」に対する法整備が進む(Photo credit should read PIERRE-PHILIPPE MARCOU/AFP via Getty Images)

中国共産党による臓器狩り対処修正案 米テキサス州下院、全会一致で可決

米国では中国共産党による強制的な臓器摘出「臓器狩り」に対する法整備が進む。テキサス州下院は22日、臓器狩りに対処する修正案を全会一致で可決した。上院での再投票を経て知事が署名すれば、州レベルでは米国初の強制臓器摘出禁止法となる。

1040法案は、「臓器が不正な供給源からもたらされたというリスクが極めて高い」国に由来する臓器移植に対して医療給付プランの支払いを禁じる。前回のテキサス州議会で可決された、中国共産党の臓器狩り慣行を非難する決議に基づいて作られた超党派の取り組みだ。

下院法案を主導したトム・オリバーソン議員は3月の記者会見で「中国共産党は国民を商品としてみなしている」と指摘。「この恐ろしい、忌むべき慣習に注意を向ける」ために全力を尽くすと語っていた。

テキサス州下院の関連法案を主導するトム・オリバーソン議員。2023年3月29撮影 (The Epoch Times)

修正案には「自由意志に基づく同意なしに、移植のために体から臓器を強制的に摘出する慣行と闘うこと」を目的とすると明記された。

また「法輪功学習者、ウイグル人イスラム教徒、チベット仏教徒、キリスト教徒を含む良心の囚人やその他の弱者に対する中国国家公認の臓器強制摘出を周知し」テキサス州の住民が虐待に知らないうちに加担してしまうことがないよう、違法な移植ツーリズムに歯止めをかけるといった内容が盛り込まれた。

2023年5月12日、ニューヨーク・マンハッタンで中国共産党による臓器収奪の即時停止を求める法輪功学習者 (Larry Dye/The Epoch Times)

中国共産党による臓器狩り問題は、2006年のカナダの人権弁護士デービッド・マタス氏と同国元アジア太平洋地域担当大臣デービッド・キルガー氏の調査報告書で明らかになった。

2019年に英国で開かれた国際人道犯罪を裁量する「中国民衆法廷」は、「中国では長年にわたり強制的な臓器摘出が相当な規模で行われている」との結論を下した。拘束された法輪功学習者が臓器狩りの主な犠牲者だとして上で、新疆強制収容所のウイグル人やチベット人、地下教会(キリスト教徒)などの良心の囚人も標的になっていると、同法廷は指摘する。

米国では3月、連邦議会下院で臓器狩りに関与した者に刑事罰を課す法案が賛成多数で可決した。上院も同様の法案が提出されている。下院法案を主導したクリス・スミス議員はエポックタイムズの取材に、中国共産党は「直接的な責任を負うが、これに進んで関与した者も責任を負うことになる」と強調した。

関連記事
この請願は、一筆ずつの署名を通じて人権侵害に終止符を打つことを目的としている
最近各国で関心が高まっている中共による臓器収奪問題。香港大紀元の記者が臓器収奪を主導した一人とされる黄潔夫・元中国衛生部副部長に直撃取材した経験がある。記者が「あなたが(臓器収奪に加担した)責任追及リストに載せられているが、この件についてどう答えますか?」と質問すると、黄は不敵な笑みを浮かべたまま急いで立ち去っていった。
中共による生体臓器収奪問題を扱ったドキュメンタリー映画『国家の臓器』の上映会が10日夜、参議院議員会館で開催された。出席した国会議員や有識者からは「実態は想像をはるかに超えている」「強い衝撃を受けた」といった声が相次いだ。
中国での臓器収奪を追ったドキュメンタリー映画「国家の臓器」の上映会が12月10日、参議院会館講堂で開催された。 […]
中国での臓器収奪とそれを利用した渡航移植の非人道的実態について、日本保守党の北村晴男議員が参院法務委員会で追及。渡航移植への罰則と入管法による上陸拒否の追加を強く提言した