2021年4月16日、中国共産党によるウイグル弾圧を非難する男性(Photo by Drew Angerer/Getty Images)

「大量虐殺の責任問う」米下院、中国共産党員に対する制裁法案発表

米中間の緊張が高まる中、米国では超党派で中国共産党による人権侵害に対処する対中強硬策を強めている。こうした中、下院の超党派議員団は中国共産党中央委員会の党員に対する制裁法案を提出した。議員らは「大量虐殺を含む数々の人権侵害の責任を問う」と強調した。

「STOP CCP法案」は民主党のジミー・パネッタや共和党のリサ・マクレーン議員らが提出した。ウイグル人等への非道な人権弾圧や香港、台湾の抑圧的な政策を敢行する中国共産党中央委員会とその家族に対して、金融・米渡航ビザの発給制限制裁を加える。

パネッタ氏は声明で「世界をリードする民主主義国家として、米国はこうした残虐な行為を続ける習近平国家主席とその側近に責任を負わせる」と意義を強調した。

法案を共同提出したクリス・パパス議員も「中国共産党に制裁を加えることは、米国がこうした残虐行為を非難し、この地域の民主的な同盟国とともに立ち続けるという強いメッセージを送ることになる」と述べた。

中国共産党はここ数年、世界の脅威を増大させている。台湾への軍事的威嚇や香港での民主化運動弾圧など世界をリードする超大国になろうとその野望を露わにしてきた。また、同党はウイグル人や中国伝統気功の法輪功学習者たちから生きたまま臓器を摘出する「臓器狩り」も実施している。

2019年に英国で開かれた国際人道犯罪を裁量する「中国民衆法廷」は、不当に拘束された法輪功学習者や強制収容所のウイグル人やチベット人などの良心の囚人が「臓器強制摘出の犠牲者となっている」と指摘した。

米下院は昨年も中国共産党員に対する制裁法案を提出している。軍事委員会のマイク・ロジャース議員ら15人の共和党議員が共同提出したもので、2000人以上いる中国共産党全国代表大会の代表者に米渡航ビザの発給停止や米国金融システムへのアクセスを禁じる内容が盛り込まれていた。

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