韓国のガールズグループBLACKPINKの広告がインドネシアのジャカルタに掲げられている (Photo by ADEK BERRY / AFP) (Photo by ADEK BERRY/AFP via Getty Images)

KーPOPアイドル、マカオ公演の発信で中国ネットから批判 「過敏すぎる」との指摘も

韓国のガールズグループBLACKPINK(ブラックピンク)が今月20、21日にマカオでコンサートを開催し、その後中国SNSの微博でファン向けに英語で感謝の言葉をつづった。その際、マカオ独立派との誤解を招く表現をしたとして、中国ネットユーザーから政治的な批判が浴びせられた。

ブラックピンクは微博で「マカイエンセ(Macanese)のBLINK(ファンの愛称)にとても感動しました。心からの支持に感謝します。あなたたちがいて本当に幸運です。BLINKたち、永遠に520(愛しているの意)!」と英語で投稿。「マカイエンセ」はポルトガル系のアジアの少数民族を指す。

この投稿は中国共産党の理論と異なるとして中国国内でネットユーザーの不満を引き起こした模様だ。あるユーザーは彼女たちを「マカオ独立派」とみなし、「韓国人が中国文化を蝕もうとしている」「中国人の感情を尊敬しないなら出て行くべきだ、中国で稼ぐ資格はない」などとコメントし、韓流のボイコットをほのめかした。こうした表現は中国共産党の宣伝と類似する。

その後、ブラックピンクの微博の投稿はマカイエンセから単に「マカオに感謝する」といった表現に変更された。しかし「中国人」と表現しなかったことに、さらなる批判を引き起こした。

こうした批判に関連して、韓国のネットユーザーも「過剰反応ではないか」との指摘をした。多くの中国のファンはブラックピンクへの支持を続け、彼女たちの言葉は政治性を意図していないとの冷静な対応を示した。

韓国の公共放送KBSによれば、最近、中国で再び韓流文化の流入制限が行われるのではないかとの見方が出ている。今回のブラックピンクの言動に対する反応のほか、中国で予定された韓流スターの出演が突然キャンセルになったり、韓国最大のポータルサイト「NAVER」にアクセスできなくなったりといった事態が起きているためだ。

これには尹錫悦大統領の台湾問題への言及や、日米との関係強化、尹氏の広島G7サミット出席などが背景にあるとの推測もある。中国政府は日米韓の安全保障の連携を「アジア版NATO」と呼び警戒感をあらわにしている。

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