2023年4月にパラオに到着し、違法漁業やその他の不法行為を取り締まる米国沿岸警備隊の哨戒艇「オリバー・ヘンリー」。 画像提供:サラ・ミュアー(SARA MUIR)准尉/米国沿岸警備隊

パラオ、中国による領海侵犯を受け、米国による領海警備の強化を求める

パラオのスランゲル・ウィップス・ジュニア大統領が2023年6月中旬、太平洋島嶼国(PIC)パラオは、中国船による排他的経済水域への数度の侵入を受け、米国に対し同海域の巡回を強化するよう要請したと発表した。

ウィップス大統領は、戦略的地域に既存の沿岸警備隊や市民活動チームとともに部隊を駐留させることで、自国における米国軍のプレゼンスが高まることも歓迎すると述べた。

「どんなことが起ころうとも、私たちはその渦中に置かれることになるだろう。だからこそ、我々がしっかり守られていることが重要なのだ」と、同大統領は東京を訪問した際に語り、「平和を手に入れるためには、力を示さねばならない」と付け加えた。

今回の侵入について質問された中国外務省の汪文斌報道官は、船舶は避難し、調査や捜査は行っていないと答えた。

西太平洋に浮かぶ珊瑚と火山の島々からなるパラオは、人口2万人強の辺境の群島だ。パラオと米国は数十年来の協定を結んでおり、米国はパラオの防衛に携わり、経済援助も行っている。

米国はミクロネシアやマーシャル諸島とも同様の協定を結んでおり、2023年5月にはパプアニューギニアとも防衛協力協定を結んだ。

中国は太平洋における影響力拡大を目指し、2022年にソロモン諸島と安全保障協定を結んだ。

パラオは2023年5月に領海内で中国船を確認したばかりで、そのときは国の通信に不可欠な光ファイバーケーブルの付近を調査しているように思われた、とウィップス大統領は述べた。

さらに、2023年11月に開催される太平洋諸島フォーラム首脳会議で、侵略について言及するとも語っている。 2022 年に開催された同フォーラムは、18の加盟国のうち 10か国と安全保障・貿易協定を締結しようとした中国側の働きかけを退けた。

ロイド・オースティン米国防長官は、2023年6月初旬のシンガポールでの演説でパラオのような「小さな島国」を称賛し、2021年のウィップス大統領との会談ではパラオと米国のパートナーシップに深い感謝を表明している。

パラオは米国軍の軍事演習を受け入れており、米国は2026年までにパラオに水平線越えレーダーを設置する予定だ。

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