2500年もの歴史を持つモンゴル相撲は、日本の相撲のルーツといわれています。(葛飾 東齋 / PIXTA)

日本の相撲のルーツ? モンゴル相撲の「ブフ(力士)」

2500年もの歴史を持つモンゴル相撲は、日本の相撲のルーツといわれています。日本の相撲では、見合って「はっけよい! のこった」の掛け声が丸い土俵に響きます。足を大きく振り上げて四股を踏み、大地の神々を請来して力士の体に栄光の加護を呼び込みます。

突っ張りや打っちゃりなど、土俵があるからこその妙技が繰り広げられ、日本の土俵ファンを沸かせてきました。そして日本の土俵には特筆すべきオマケの精神(徳俵)があり、土俵の瀬戸際と間合いなど日本的なものを見事に組み込んでいます。

しかし草原の大地で行われるモンゴル相撲には土俵がありません。モンゴル国のブフ(相撲)では手のひらがついても負けにはなりません。膝や肘や頭や背中などが大地に触れる、いわゆる土がつく(大地の神に祝福される)と負けになります。

レスリングと柔道をミックスしたような投げ技や足技、足と手を器用に駆使した技が決まる一瞬にはヤンヤの喝采が上がります。モンゴル相撲には土俵がありませんから、寄り切りや押し出しなどの決まり手がない分、600種類といわれる多彩な投げ技が編み出されました。なかなか決着がつかず持久戦(3~4時間)になることもあり、水入りは馬乳酒(アルコール度数の低い健康飲料)で体力を補給することも……。

モンゴルの大小の祭りに、国技としての相撲は絶対欠かせません。トーナメント形式の対戦相手が決まると、それぞれの選手にザソール(セコンドでもある行司)が一人ついて、ツォル(選手を称える謡)が朗々と吟じられ、それに合わせて大鷹が羽ばたき降り立つ舞が選手によって演じられます。

この時に力士たちは、胸にライオンをイメージして舞うのです。いわば空飛ぶライオン?の力を身にまとった聖なる力士として戦う準備が整えられます。日本のお相撲さんがシコ名で身に着ける「海や龍や嵐」など神々しい威力と同じなのかも知れません。

ともあれ、習わしも稽古(すり足、鉄砲、股割り)のやり方もまるで違います。モンゴル相撲のブフ(力士)たちは、仕切りからのぶつかり合いや、押し相撲の突っ張りや土俵際の打っちゃりの技をしっかり身に着けて、そこにモンゴル相撲本来の技の多彩さをミックスしており、日本の相撲界に新たな醍醐味と活況をもたらしているといえるでしょう。

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