民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏がベラルーシに到着したことを受けてウクライナのゼレンスキー大統領(写真)は30日、同国北部での軍事態勢を強化するよう軍幹部らに命じた。2022年10月撮影(2023年 ロイター/Ukrainian Presidential Press Service/Handout via REUTERS)

ウクライナ大統領、同国北部での軍事態勢強化を命令

[キーウ 30日 ロイター] – 民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏がベラルーシに到着したことを受けてウクライナのゼレンスキー大統領は30日、同国北部での軍事態勢を強化するよう軍幹部らに命じた。

ゼレンスキー氏は、ウクライナの諜報機関と治安部隊が北隣にあるベラルーシの情勢について軍隊と政治の首脳が集まった会議で報告したと説明した。

ゼレンスキー氏はメッセージアプリ「テレグラム」を通じて「その決定はワレリー・ザルジニー総司令官司令官とセルヘイ・ナエフ『北部方面』司令官がこの方面を強化するための一連の措置を講じるためのものだ」と表明した。

テレグラムへの短い投稿の中で、プリゴジン氏については触れなかった。ベラルーシのルカシェンコ大統領の仲介によってプリゴジン氏はロシアでの武装蜂起を中止し、6月27日にベラルーシへ亡命した。

メディアは、ベラルーシの首都ミンスクから約90キロ(50マイル)離れたアシポビーチ近郊の使っていない軍事施設にワグネルが新たな基地を設ける可能性があると報じている。

ウクライナは昨年、同国北部からロシア軍を追い出した後、ロシアの緊密な同盟国であるベラルーシとの国境の防衛を強化する措置を取った。

ナエフ氏は「現在、北部方面の管轄する地域でベラルーシとロシアからの攻撃による直接的な脅威はない」としつつ、脅威が高まった場合にはウクライナの防衛能力を強化することが必要になると指摘。その上で「私たちの諜報機関は、情報を得るための努力を怠らない」と訴えた。

関連記事
ウクライナ保安庁(SBU)は7日、ゼレンスキー大統領と複数の高官を対象としたロシアの暗殺計画に関与したとして、国家反逆などの容疑でウクライナ国家警備局の大佐2人を拘束したと発表した。
5月6日、米国ホワイトハウスは、ロシアによる法輪功学習者の逮捕に対して、再び声を上げ、中共とロシアの関係の強化に懸念を表明した。 中国での法輪功学習者に対する迫害は、生きたままの臓器収奪を含めてすでに有名だが、先週、ロシア警察が突然4名の法輪功学習者を逮捕し、その中の46歳のナタリア・ミネンコワさんが2ヶ月間の拘留を受けたことが判明した。
5月2日に開催された、米連邦議会上院軍事委員会の公聴会では、「世界の脅威」について議論され、ヘインズ総監は中共とロシアの秘密協力が政治、経済、軍事、技術の各分野に及び、特に台湾問題にも大きな影響を与えていると述べ。
ロシア当局は中国共産党と歩みを揃え、自国内で信仰への弾圧を強めている。モスクワ市トゥシンスキー地区裁判所は4日、法輪功学習者であるナタリヤ・ミネンコワ氏(46)について、2カ月間の拘留を命じた。
5月3日早朝、ロシア警察による法輪功学習者の家宅捜索が5件あった。「望ましくない組織」のために活動した疑惑で、4名が拘束された。ロシアの主要メディアが報じたが、法輪功に関して、中国共産党による誤った情報をそのまま流している。