7月2日、 フランスで17歳の少年が警官に射殺された事件を機に各地で抗議活動が続く中、少年の祖母が暴動を終わらせてほしいと訴えた。写真は1日、パリのシャンゼリゼ通りで、抗議活動参加者を追う警察官ら(2023年 ロイター/Nacho Doce)

仏デモ、やや沈静化も散発的に衝突 マクロン大統領は訪独延期

[パリ 2日 ロイター] – フランスで17歳の少年が警官に射殺された事件を受けて続いた抗議活動は、警察が全土で数万人を動員して警戒に当たる中、1日夜はやや落ち着きを見せた。パリ郊外のナンテールでは少年の葬儀が営まれ、数百人が参列した。

マクロン大統領は2日から予定していたドイツ公式訪問を延期した。

3大都市のパリ、リヨン、マルセイユの警備を強化するため約4万5000人の警察官が配備され、特殊精鋭部隊や装甲車、ヘリコプターも投入された。

2日午前1時45分(日本時間午前8時45分)時点で、それまでの4夜に比べて状況はやや落ち着きを取り戻した。ただ、パリ中心部では緊張が見られ、南部のマルセイユ、ニース、東部ストラスブールなどでは散発的な衝突も起きた。

マルセイユでは警察が催涙ガスを使用し、夜遅くまで市中心部で若者らと路上で衝突した。パリではシャンゼリゼ通りに集まるよう呼びかけるSNS(交流サイト)への投稿があったとして警備が強化された。

内務省によると、6月30日夜に拘束されたのは1311人と、前夜の875人から増加したが、暴力は前夜ほど激しくなかったという。警察は1日に全土で200人近くを拘束したと明らかにした。

全国各地の地方当局はデモ禁止を発表し、公共交通機関の夜間運行停止を指示。一部では夜間外出禁止令も出された。

デモ開始以降に放火された車両は2000台に上る。ダルマナン内相は1日、200人を超える警官が負傷したと明らかにした。逮捕者の平均年齢は17歳だという。

ルメール経済・財務相は、700を超える商店やスーパーマーケット、レストラン、銀行の店舗が6月27日以降に略奪や放火の被害に遭ったと述べた。

政府はSNS運営企業に暴力をあおる投稿を削除するよう求めており、ダルマナン氏はメタ、ツイッター、スナップチャット、TikTokの関係者と面会した。

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