カンボジアで7月23日実施された下院選でフン・セン首相率いる与党カンボジア人民党(CPP)が圧勝を宣言したことを受け、米政府は一部の対外援助プログラムを一時停止し、民主主義を損ねた個人へのビザ発給を制限すると発表した。同日、プノンペンの投票所で撮影(2023年 ロイター/Cindy Liu)

カンボジア選挙「公正でない」、米政府が一部援助停止・ビザ制限

[ワシントン 23日 ロイター] – カンボジアで23日実施された下院選でフン・セン首相率いる与党カンボジア人民党(CPP)が圧勝を宣言したことを受け、米政府は一部の対外援助プログラムを一時停止し、民主主義を損ねた個人へのビザ発給を制限すると発表した。

選挙はCPPに対する有力な対抗馬がいない中で実施された。

米国務省のミラー報道官は、選挙は「自由でも公正でもなかった」として懸念を示し、「当局は選挙前に野党やメディア、市民社会に対し脅しや嫌がらせを行い、同国憲法の精神や国際社会に対する責任を傷つけた」と指摘。

その上で、カンボジアが国際的地位を向上させるためには複数政党による真の民主主義を回復し、政治的な動機に基づく裁判をやめるとともに反政府派の有罪判決を取り消し、独立したメディアが干渉を受けずに活動できるようにする必要があると訴えた。

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