「ネトゲ未亡人」:夫がネットゲームに夢中になり、家のことを全く考えなくなった、そんな夫をもつ妻のことをいう。 (プラナ / PIXTA)

ネトゲ未亡人【ことばの豆知識】

ネトゲ未亡人」ということばがあるらしい。夫がネットゲームに夢中になって、家のことや妻のことを全くかまってくれなくなる、そんな夫をもつ妻のことをいうそうです。

「ネットゲーム」を「ネトゲ」と略すことも新鮮でしたが、「KY」=「空気が読めない」に比べれば、どうってことはありません。それよりも、このことばを見て改めて不思議に思ったのは、「未亡人」のほうです。

「未完成」「未確認」に見られるように、「未」とは「まだ~していない」ということ。ならば、「未亡人」とは「まだ亡くなっていない人」ということになります。それが、夫に先立たれた女性を指すとは、どうしてなのでしょう?

中国では、古くには、夫が死んだら妻もそれに従うという考え方がありましたが、それに背いて、夫の死後も操を守りながら生き続けた場合、おめおめと生きながらえているという、卑下する意味を込めて、妻が自らを「未亡人」と自称したようです。

ところが、日本語では、夫に先立たれた女性という意味だけが残り、妻の自称ではなく、他の人がその女性を指すときに使うことばとなりました。

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