イタリアのジョルジア・メローニ首相は20日にニューヨーク市の国連本部で演説した (Photo by LEONARDO MUNOZ/AFP via Getty Images)

国境なき世界が戦争なき世界という主張…「身勝手であり拒否すべき」=伊首相

イタリアメローニ首相は21日、ニューヨークの国連本部で行われた一般討論演説で、国家や国境のないボーダレスな世界が戦争のない世界だという主張は「ユートピア的で身勝手」であるとし、拒否しなければならないと訴えた。

メローニ氏は、国連会議の前提は「国家と理性」のふたつであると指摘。「帰属意識を感じ、同じ歴史的記憶、同じ法律、同じ習慣や伝統を他の人々と共有する国家」と、「国際紛争の解決策である理性」だとした。

このふたつを前提とした上で、「国家のない世界、国境のない世界、アイデンティティのない世界が、戦争や紛争のない世界だと言う人々のユートピア的で身勝手な話は拒否しなければならない」と主張した。難民・移民問題にあえぐイタリアの首脳として、受け入れに寛容な一部の左派思想家を批判したとみられる。

このほか、メローニ氏は大量移民を取引するという人身売買業者を「現代の奴隷商人」と例えて、厳しく非難した。彼らは、不備のある輸送ボートで命の危険に晒し、安易な取引で金銭を騙し取り、混沌を拡大させていると述べた。

こうした人身売買業者がもたらした移民問題で、麻薬や武器の密売、女性への売春強要など諸問題を悪化させているとし、世界的な対処を実施することが国連の責務であると強調した。

さらに、発展著しい人工知能についても国際的な対策を国連に求めた。「最適化と進歩に我々は慣れ親しんできたが、(AIは)既存の人間の知性や組織性が置き換えられる可能性があり、特に雇用市場にとっては壊滅的な結果をもたらす危険がある」と指摘。倫理を尊重する世界的枠組みを設ける必要があると訴えた。

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