2023年11月22日、韓国の尹錫悦大統領はスナク英国首相と会談し、両国は「ダウニング街協定」に署名し、韓英関係は現在の「革新的包括的関係」から格上げされることとなった。 「パートナーシップ」から「グローバル戦略的パートナーシップ」へ(Photo by Kin Cheung - WPA Pool/Getty Images)

韓国大統領が訪英、台湾海峡問題を提起し、英韓の安全保障協力を強化

韓国の尹錫悦大統領は、英国を訪問し、英韓両国関係を「グローバル戦略的パートナーシップ」に昇格させた。

22日、尹錫悦大統領はロンドンのダウニング街にある首相官邸で、英国のスナク首相と会談し、両国間の最高レベルの協力文書である「ダウニング街協定」に署名した。

この協定によって、韓国と英国の関係は、「包括的・創造的パートナーシップ」から「グローバル戦略的パートナーシップ」へと昇格する。

この協定には、朝鮮半島の核問題や、ウクライナ情勢、インド太平洋および中東地域の情勢など、世界的な熱い問題に対する両国の一致した立場が含まれている。

英韓両国は20日に、共同演習の実施拡大と、国連安全保障理事会による北朝鮮への制裁の実施に向けた海上共同巡航を積極的に進めることを決定した。

また、防衛協力パートナーシップの樹立に関する意向書、軍事産業の共同輸出プロジェクトに関する覚書(MOU)、および「戦略的ネットワークパートナーシップ」を確立するための文書に署名する予定だ。

その他、両国は既存の韓英自由貿易協定(FTA)の改善に取り組むこと、半導体協力に関する覚書に署名することも発表した。

尹錫悦大統領、台湾海峡問題を再提起

今回の訪問中、尹錫悦大統領は、中国共産党(中共)が敏感に反応する台湾海峡問題を再び提起した。

11月20日に始まった英国への4日間の国事訪問中、尹錫悦大統領は特にインド太平洋地域が北朝鮮の核の脅威、台湾海峡と南シナ海の緊張状態など、多様な地政学的リスクに満ちていると指摘した。

また、尹大統領は、北朝鮮とロシアの協力が国連憲章、安全保障理事会の決議、その他の国際規範に明らかに違反しており、中国にとっても北朝鮮とロシアとの協力が国際的な評判や地位の向上に役立つとは思わないと述べた。

これに対し、中国共産党(中共)は反発した。

中共外交部の毛寧報道官は、その日の夜の定例記者会見で、「中国は他国に指図される必要はなく、韓国は南シナ海問題の当事者ではないため、余計なことに介入する必要はない」と述べた。

これに対して、韓国外務省は21日、台湾海峡の平和と安定、そして国際法に基づいて南シナ海での、ルールに基づく海洋秩序の維持が、韓国だけでなく、地域全体および世界の平和と繁栄に大きな影響を与えると述べ、「台湾海峡問題に関心を持つことは当然である」と強調した。

今年4月中旬、尹錫悦大統領が訪米する前に初めて台湾海峡問題において中共を批判した際にも、中共から激しい反発があった。

その際、尹錫悦大統領は台湾海峡の緊張状況に関して、「(中国共産党が)武力で現状を変更しようとしていることに対し、韓国と国際社会はその変更に反対する」と述べ、また、「台湾問題は単に両岸間の問題ではなく、韓国と北朝鮮間の問題と同様に、影響範囲が地域を超え、世界的な問題として捉えるべきだ」との見解を示した。

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