チンギス・カン――軍需品にシルクの肌着 その理由は？（下）【千古英雄伝】
チンギス・カンが設立した非常に重要な制度の1つは、遊牧民族が最も愛するスポーツである狩猟を、軍事訓練に変えたことです。狼、イノシシ、シカなどの獲物に関係なく、狩猟は訓練に変わり、戦士たちに協調作戦の信念を植え付けるためのものとなりました。
この狩猟訓練は通常、冬季の3か月間に行われ、すべての兵士が参加する必要があります。
同様のスポーツは、現在でも民族の祭典「ナーダム」として行われ、ブフ（モンゴル相撲）・競馬・弓射の3つの競技となっています。競馬の距離は30キロ以上、参加者は通常500人以上になり、最初は緩やかに走り、徐々に加速し、ゴールに近づくにつれて疾走します。
モンゴル人はまた、旗、火かき棒、または騎兵が運用した、長距離で信号を送信する非常に効果的で信頼性の高い通信システムを開発しました。これにより、すべてのモンゴル軍の部隊が、相互に継続的に連絡を取り合いながら進軍できたのです。
軍事訓練の最後に、カーン（ハーン：遊牧民の君主が名乗った称号）は自ら狩猟に参加し、皆に戦闘力を示します。これはカーンにとって非常に挑戦的なことです。
このような訓練を経て、モンゴル人は13世紀においては珍しかった、高い戦闘力を持ったプロの軍隊を維持するシステムを開発できたのです。馬術、弓術、剣術に加え、すべてのモンゴルの戦士は、規律を厳守し、協力し、命令に従うことの重要性を学んだのです。
彼らの戦術は他の遊牧民族の戦術と本質的な違いはありませんが、より創造的で大胆なものでした。獲物を追うことは敵を追うことであり、やがて将軍たちは敵を困惑させる策略を立てるようになりました。
（完）
（「新唐人テレビ」より転載）
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