12月4日、ハンガリーのオルバン首相は、EUのミシェル大統領宛て書簡で、来週14─15日開催のEU首脳会議ではウクライナの加盟交渉開始についていかなる決定も下さないよう要求した。写真はEUの旗。2020年7月、フランクフルトにあるECB本部前で撮影(2023年 ロイター/Ralph Orlowski)

ハンガリー首相、EU首脳会議でウクライナ加盟交渉決定しないよう要求

[ブリュッセル 4日 ロイター] – ハンガリーのオルバン首相は4日、欧州連合(EU)のミシェル大統領宛て書簡で、来週14─15日開催のEU首脳会議ではウクライナの加盟交渉開始についていかなる決定も下さないよう要求した。

EU欧州委員会は先月、ウクライナが加盟の幾つかの最終要件を満たせばEU首脳会議としてすぐにも交渉開始を承認するよう勧告。ただ正式承認は全加盟国の賛成が必要となり、ハンガリーはかねてからウクライナの加盟交渉に乗り出す環境はまだ十分整っていないと主張してきた。

オルバン氏は、ウクライナ向けに500億ユーロ(541億1000万ドル)の経済支援を行うという提案も、今回の首脳会議で判断を留保するべきだと提言した。

書簡には「今月の欧州理事会でこれらの問題を決定しないよう求める。なぜなら明らかに意見がそろわない状況で合意できないのは間違いないからだ。欧州理事会は、われわれの最も大事な資産である結束を保つために、こうしたマイナスのシナリオは避けなければならない」と記されている。

オルバン氏は、ウクライナに侵攻したロシアにEUが包括的な制裁を発動した後も、ロシアとの良好な関係を維持している。

一方ウクライナを強く支持するEU諸国の外交官らは、首脳会議で加盟交渉開始と経済支援が承認されないと、ウクライナは政治的に大きな痛手を受け、ロシアを利することになるとの懸念を示した。

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