専門家の解釈: なぜ子供たちは「退屈感」を必要とするのか?

みなさんは子供の頃、長い夏の日に「つまらないな」と不平を言ったことを覚えていますか? スマートフォンと絶え間ないスクロールの世界で、そのような退屈な瞬間は、今日の若者にはほとんど見られなくなりましたね。しかし、彼らの心の健康はこれに関わっているかも知れません。

心理学者は、「退屈感」の欠如が実際に創造力と達成感を阻害すると考えています。

無休止的娯楽創造力の低下には関連があります

 

子供の教育と心理的健康を最適化することに特化した臨床心理学者ステファニー・リー(Stephanie Lee)氏によれば、退屈は、子供と青少年が自分のアイデアを生み出すための基盤であると述べています。彼女は、過剰な数字の娯楽がしばしば子供たちの退屈感を奪い、想像力を妨げることを指摘しています。

やることななくてぼーっとしている間に創造のパワーを充電しているのです
saa PIXTA(ピクスタ)pixta_68295358_M

 

2019年に発表された「イタリア小児科雑誌」(Italian Journal of Pediatrics)に小児科の研究が掲載され、そこにはソーシャルメディアが、青少年の創造力低下と関連していることが示されています。研究者は、ソーシャルネットワークとスマートフォンの使用が、学習の悪い結果に関連している可能性があり、学習成績の低下、注意散漫、創造力の低下といった問題が生じると指摘しているのです。

この研究は、科学的な研究の流れに合致しており、これらの研究はソーシャルメディアと青少年の精神的健康状態との密接な関係を示しています。2021年に「教育と健康促進ジャーナル」(Journal of Education and Health Promotion)で発表した研究によれば、ソーシャルメディアに溺れがちな青少年は、問題解決能力や適応能力などの生活スキル不足がよくあります。

ステファニー・リー氏は、子供たちが、自分の表現や作品をそれらの消費されたコンテンツと比較すれば、娯楽が彼らの創造性を挫折させる可能性があると述べています。彼女は補足として、対照的に、洞察に富むドキュメンタリーを観たり、音楽会を聴いたりするなど、異なる形式の娯楽は創造性を刺激できると付け加えました。

退屈な子供は問題解決が得意です

イギリスのセントラルランカシャー大学(University of Central Lancashire)の心理学教授、サンディ・マン(Sandi Mann)氏が大紀元に語ったところによれば、退屈は、基本的な生活のスキルを養うための妙薬であると言います。彼女は、「我々が画面を見ることで退屈な感情を排除しようとすると、最終的には多くのものを見逃すことになります。自分の脳を使って創造的な方法で退屈に対処しようとしないからです」と述べています。

退屈に対処することは問題解決の能力を磨くことができ、これはより良い心理的健康と密接に関連しています。国際予防医学雑誌に発表された研究によれば、問題解決能力のスキルを身につけることで、うつ病や不安を予測できるようになります。

「問題を独立して解決することは、子供や若者が自己管理、自尊心、自信を築くのに役立つ方法の一つです」とステファニー・リー氏は述べています。

日記を書くことやアートは問題解決の能力を向上させることができますが、ソーシャルメディアはこの能力を損なう可能性があります。ソーシャルメディアの刺激はドーパミンの急速な放出を引き起こし、一時的な満足感をもたらすかもしれませんが、抑うつを引き起こす可能性があります。それに対して、対照的な問題解決は持続的な達成感と満足感をもたらすことができます。

サンディ・マン氏は付け加えて言います。「問題解決の瞬間には、人の無力感を消失できますが、それは心理的健康に非常に有害です」と。

画面とスクロールは、クリエイティブにはつながらずに、人を消耗させるだけ?
Graphs PIXTA(ピクスタ)pixta_84707972_M

余暇時間は青少年の適応能力を育む上で非常に重要です。ステファニー・リー氏によれば、研究によって問題解決能力の向上と適応力の強化が密接に関連していることが示されています。そのため、暇な時間は挫折に耐える力を養うことに繋がりますが、Z世代(1995年から2010年の間に生まれた人々)はこの能力に欠けているようです。この世代は毎日、数時間をソーシャルメディアで過ごしています。

研究によれば、娯楽は問題解決能力を鈍らせるだけでなく、若者の挑戦に対する適応能力も低下させることが示されています。「退屈に対処する能力は、自己主導性と自己効力感を体現しています」とリー氏は述べており、これらは抗挫折能力を育む基盤です。

また、退屈にはもう一つ利点があります。それは、子供、若者、そして大人の緊張や逆境を処理するのに役立つことです。それは私たちが生活の中でより大きな挑戦に備える手助けとなります。

「私たちはしばしば計画、戦略、問題解決の手段を通じて退屈感を取り除かなければなりません。これは子供、若者、そして大人にとって非常に良い実践です」とリー氏は補足しています。

米国の太平洋岸北西部を拠点とするエポックタイムズのジャーナリスト。ジャーナリズムの学士号を持ち、事実に即した刺激のある健康関連のニュースを紹介することを目標としている。栄養ブログ 「Running On Butter 」の運営者。