(大紀元)

高智晟著『神とともに戦う』(86)権利を護りぬいた軌跡「この政権の敵は他でもない」(5)

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老いた田宝成さんの連れ合いの張翠平さんも数年来、ずっと上海市政府による非人道的な迫害を受け続けてきた。ここでは証言のごく一部を、下記の通りに抜粋した。

「ある日、魯世玉、施有才などの警官が自宅に侵入してきて、『もう知っていると思うが、中央両会(中華人民共和国全国人民大会と中国人民政治協商会議の2つの会議の省略)の会期が迫ってきているので、気分転換にあんた達を横沙島に連れていってやるよ。行きたくなくても行かなければならないのだ』と容赦なく言いました。

私達夫婦の調書を取るため、彼らは私達をまず閘北区分局へ連行して、その後3台の車で護送して、呉淞埠頭に連れて行きました。

10月10日朝、私達夫婦はまた横沙島から連れ出され、それから閘北区拘置所で個別に拘禁と拷問を受けました。午前10時過ぎ、魯世玉に“不法集会デモ”というでっち上げの罪名により、刑事拘留を言い渡されました。10月10日から16日までの間、私は閘北区拘置所で19回も拷問を受けました。他の囚人が寝ている時間帯でも、私は呼び出されて拷問を受けることがしばしばありました。

拷問する人々は、誰も身分を知らせてくれませんでした。恐怖と恐喝を前に、私は4日間口を開かないで一人の公民にあるべき黙秘権を護りました。4日間沈黙を続けていた為、10月14日の昼頃から3人の私服を着用した見知らぬ人に、地下にある約30平方メートルの特別拷問室に連行されました。

私は28時間手錠を掛けられたまま、座らせてもらえなければ寝かせてももらえず、更に食事も与えられませんでした。私の口を開かせるため、彼らは私の顔の目の前に洗顔用のボール程の大きさもある、強烈なライトを立てました。ライトの光は温度が極めて高く、じかに顔面と目に刺さってくるようでした。

強い光に照らされる中で頭がくらくらし、目が眩み、汗がダラダラと流れて、最後には我慢できず顔を横に背けてしまいました。拷問する警官は順番に私の髪の毛を引っ張りながら、野蛮に顔面を高温のライトに向かわせました。一晩中少なくとも20、30回は頭を引っ張られて、強い光に当てられました。

28時間、警官が3回もグループ交代して私を拷問し続け、私は4回も地面に倒れましたが、その都度数名の私服警官が革靴で私を蹴り飛ばして『死んだフリをするな! 早く起き上がれ!』と罵声を浴びせながら、残虐に暴行を加えました。その内に、私は我慢できなくなって声を出して泣いてしまいましたが、彼らはまた『演技をするな』と罵り続けました・・・・・・。

 

ある日の夜中、一人の中年の私服警官がライトの前をふらふらと歩いていた時、彼が羽織っていた警察の制服がチラッと見えたので、私は顔を横に向けて警察番号をよく確認しようと思いました。

気付いた彼は慌てて手で隠しながら『見るな! この制服は私の物ではない。外に出たら出鱈目を書くんじゃないぞ!』と言いました。張子の虎のようにびくびくしている臆病者の彼を見て、私は不憫でたまりませんでした。この中年の警官は私を残忍に苦しめる悪質な警官の一人でした。

しかし2カ月後の拷問に再び呼び出された際、彼の警察番号は034054だと確認できました。また3回もグループ交代して私に拷問を行い続けた日に『知っているか? この特別拷問室は死刑囚と無期懲役の殺人犯に使う場所だ。あんたがここで拷問を受けるということは、最低でも20、30年の判決になるだろう』などと、皆が順番に私を恐喝しました。

依然として黙っている私を見て、ある40歳弱の私服警官は腹が立ったようで『あんたは地方出身なので、もしかしたらこの間にもう旦那に捨てられているかもしれないよ。今は旦那の隣に違う女性が寝ているかもしれないな』と卑劣な手口で私達夫婦の仲を引き裂こうと、精神的に私を苦しめ始めました。

私は相変わらず沈黙を保ったままでした。それからまた『北京では誰がお前達のリーダーなのか? 誰があんた達をあちこちへ行くように指示しているのか? もし事実を言わなければ10年、20年でも懲役にしてやる』と、私服警官が一人芝居を続けていました。

ある私服女性警官が、ずっと沈黙している私に頭に来て怒鳴り始めました。『気は確かか? 今すぐにでも精神病院に送り込んで日本映画『君よ憤怒の河を渉れ』のストーリーみたいに注射と薬物で気違い女にしてやるよ。政府にそういう手が使えないと思ったら大間違いだ。もうちょっと賢くなれ……!』」

(続く)

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