コロナワクチンの副作用は血栓や心筋炎だけではない

注目すべき新型コロナワクチン有害事象の数々、エビデンスで裏付け(3)

精神疾患

エポックタイムズのプレミアムレポートでは、研究文献や臨床医によって報告されたさまざまな精神疾患について幅広く取り上げてきた。

問題は不眠症のような軽度のものから精神病のような重度のものまである。

新型コロナの予防接種が精神衛生状態を改善したという逆の研究結果もある。

 

幻覚

この現象はワクチン接種者の一部で発現し、しばしば精神病として文献に報告されている。

インドの研究レビューでは、新型コロナワクチン接種による11例の精神医学的有害事象が報告されており、そのうち5例は幻覚も発症していた。そのうちの1例はワクチン接種と同日に発症した。別の症例研究では、精神障害の既往歴も家族歴もない45歳の女性が、新型コロナワクチン接種の1か月後に精神病を発症した。その女性は18年間勤めた仕事を突然辞め、妄想のために暗がりでしか服を着なくなった。

モデルナ製の新型コロナワクチン接種後にまれに精神病を発症する可能性があると著者らは書いている。

不安とうつ病

精神科医のアマンダ・マクドナルド医師は、以前のプレミアムレポートの中で、ワクチン接種後や新型コロナ感染後に、患者の不安や抑うつが突然精神科の薬に耐性を持つようになるのを観察したとエポックタイムズに語っている。

ある研究では、それまで双極性障害が同じ薬で何年も安定していた2人の患者が紹介された。両者ともワクチン接種後にうつ病と躁病が悪化した。

CDCによる2021年の報告によると、5か所のワクチン接種施設のうち4か所でJ&Jワクチンの接種直後に失神などの不安関連症状が出たため、ワクチン接種を一時中断せざるを得なかった。

パニック発作

ワクチン接種後にパニック発作が突然発症したことが、複数の症例研究で報告されている。

ある症例では、26歳の女性が新型コロナ感染後にパニック発作を発症し自殺念慮が現れた。回復後にファイザー社のmRNAワクチンの2回目接種をしたところ、彼女には4時間以内に再びパニック発作症状が出始めた。48歳の男性は、ファイザー製ワクチンの2回目接種後、死への恐怖と破滅感が現れた。

不眠症

ワクチン接種後の有害事象として不眠症を取り上げた研究はほとんどないが、睡眠障害は他の疾患と関連して報告されることが多い。ワクチン接種を受けた医療従事者787人を追跡したトルコの研究では、約11%が少なくとも1回の睡眠障害を報告している。1万9千人以上を対象としたイタリアのNEURO-COVAX研究では、1.6%が不眠症を報告しており、有害事象として不眠症と最も関連があったのはモデルナ製ワクチンであった。

6万9千人以上の睡眠、心血管系、呼吸器系の変化を生体測定装置で追跡した別の研究では、ワクチン接種後数日間は、回復睡眠より浅い睡眠により多くの睡眠時間が費やされていた。

感染症

新型コロナワクチン接種はウイルスに対する免疫力を向上させると考えられている。しかし、新型コロナワクチン接種を繰り返すことで免疫力が低下し、新型コロナや他のウイルスに感染する危険性があることを発見した研究が増えている。

 

肺炎

大規模なレビューはないが、新型コロナワクチンに関連した肺炎または肺感染症を記録した症例研究がいくつかある。Bronchoneumologia誌に掲載された症例研究では、2回目のワクチン接種後8~10時間以内に軽度の発熱、息切れ、胸部圧迫痛、その他の症状を発症したある患者について報告されています。

「International Journal of Infectious Diseases」誌に掲載された別の研究では、83歳の男性に新型コロナワクチン接種後1日以内に肺炎症状が出現したことが報告されている。

新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症そのものは、米ワクチン有害事象報告システム(VAERS)に報告された最も一般的な副反応のトップ10に入っています。クリーブランド・クリニックの研究によると、新型コロナワクチンの反復接種が新型コロナ感染症のリスク増加と関連していることが示されている。

フロリダ大学のウラジミール・ユバースキー教授が率いた研究によると、新型コロナワクチンの反復接種によって身体が自己防衛力を高めることはなく、新型コロナ感染の可能性に対する寛容性が高まると予測している。

ウイルスの再活性化と感染

帯状疱疹、水痘、エプスタイン・バーウイルス(EBV,ヒトヘルペスウイルス4型)がよく報告されている。免疫不全の期間によって、日和見性の細菌や真菌の感染症が現れることもある。

目、耳、鼻、口の問題

新型コロナワクチン接種後の免疫反応により、目、耳、鼻、口に一時的な病変や炎症が生じることがある。

 

耳鳴りと難聴

耳鳴りは、VAERSとイエローカード報告システムの両方で定期的に報告されている。耳鳴りの正確なメカニズムは不明だが、神経障害を示唆する研究もある。

おそらく最もよく知られた耳鳴りの症例は、メイヨークリニックのワクチン研究グループのディレクターであるグレゴリー・ポーランド博士が報告したもので、彼は2021年に2回目のモデルナ製ワクチン接種を受けた後に重度の耳鳴りを発症した。

CDCは、新型コロナワクチン接種と耳鳴りの関連性を示す証拠は見つかっていないとしているが、同機関の内部文書には、VAERSの安全性シグナルとして耳鳴りが示されている。また、多くの研究が関連性を認めている。

突発性難聴、すなわち30dB以上の感音難聴は、ワクチン接種後の報告はまれであるものの、依然として報告されている。ある68歳の女性は、ファイザー製ワクチンを3回接種した4日後に耳鳴りがした。専門医による経過観察の結果、かなりの難聴であることが判明した。

「International Journal of Infectious Diseases」誌に掲載された研究では、ワクチン接種後3日前後に突発性難聴になった3例が報告されている。しかし、研究者らはワクチンとの直接的な関連性は見出していない。

視力障害と眼障害

最も多く報告されている眼障害は結膜炎とぶどう膜炎で、いずれも眼組織の炎症が原因だ。

ニュージーランドのある眼科クリニックは、新型コロナワクチン接種前後に眼疾患を有した3千人以上の患者を追跡調査した。論文著者らは、ワクチン接種が患者のぶどう膜炎リスクを増加させたと結論づけた。

視力や眼球運動の調節に影響を及ぼす眼障害も報告されている。これらの障害は視神経や動眼神経の損傷によって引き起こされる可能性がある。ある研究では、1回目、2回目、3回目の新型コロナワクチン接種後に眼球運動障害が63例報告されている。そのほとんどは脳神経麻痺によるものだった。脳神経は目のすべての神経を支配している。

めまい

めまいはしばしば耳と関係しており、耳は私たちのバランスを保つのに役立っている。

英国の医療従事者を対象に実施された調査では、めまいが報告された割合は約2.5%であった。

韓国のVAERSに相当する分析によると、2021年2月~22年7月の間に、韓国で新型コロナワクチン接種後に報告された副反応で3番目に多いのがめまいだった。著者らは、接種10万回あたり54.3件の発生率を算出した。

嗅覚障害と味覚障害

嗅覚と味覚の喪失は、新型コロナ罹患後とそのワクチン接種後によく見られる持続的な症状だ。「Ear, Nose & Throat Journal」誌に掲載されたベルギーの研究では、新型コロナの陽性ではなかったにもかかわらず、ワクチン接種後に嗅覚障害と味覚障害を発症した6人を追跡調査した。

口内炎

ワクチンが誘発する炎症により、口腔、舌、歯肉の痛みや潰瘍(口内炎)が生じることがある。口内炎はウイルスや真菌の再活性化の結果として起こることもある。ほとんどの症例は一過性で、治療によく反応する。

ドライマウス

ドライマウスは、ウイルス感染時や特定の薬剤の使用後に報告される一般的な反応であり、口臭や虫歯リスクの増加と関連している。

2023年12月に行われた研究では、ワクチン接種を受けた子供と未接種の子供を比較したところ、接種を受けた子供の唾液分泌量が少ないことが判明した。2022年8月付の欧州連合医薬品規制当局ファーマコビジランス(EudraVigilance)データベースでは、ドライマウスはかなり一般的で、100件の報告のうち0.215件で確認された。

呼吸器系の障害

息切れ、呼吸促迫、咳などは、ワクチン接種後に生じたり悪化したりする症状だ。

 

息切れ

息切れ(呼吸困難)は広く認められているワクチンの副作用であり、通常は一過性だ。オーストラリアのCOVID-19 Critical Intelligence Unitは、息切れは新型コロナワクチンに関連した心筋炎や心膜炎後に最もよく報告される症状の一つだと2022年に報告している。

息切れは間質性肺疾患の徴候である可能性があり、新型コロナワクチンと関連する症例もある。

「Chest」誌に発表された症例では、健康な24歳の男性がファイザー製ワクチンを接種した5日後に息切れと鋭い胸痛を発症した。また、肺に血栓ができ、吐血した。

喘息

喘息の激化が報告されている。「International Journal of Infectious Diseases」誌に掲載されたある研究では、喘息の既往歴のある研修医を調査した。時々喫煙していたこの女性は、2回目のファイザー製ワクチン接種から10時間後に呼吸器症状を訴えた。別の55歳の患者はワクチン接種の1日後に息切れを起こした。CTスキャンで両肺に喘鳴がみられた。

筋肉と関節の障害

ワクチン接種を受けた医療従事者803人を対象に副作用の報告を追跡調査したところ、約60%が全身の脱力感や疲労感、45%が筋肉痛、約10%が痙攣やこわばりを訴えた。

関節痛が報告されたのは16%以上であった。一般的な副作用を評価した別の研究では、関節痛は予防接種の一般的な副作用の傾向があると報告されている。

 

筋力低下と痙攣

筋力低下、痙攣、感覚喪失が神経学的傷害を示すことがしばしばある。「Acta Neurologica Belgica」誌に掲載されたレビューによると、筋力低下、疼痛、感覚喪失の8症例が報告されており、これらの患者はすべてギラン・バレー症候群または何らかの神経障害と診断された。

筋肉痛が筋炎(筋肉の炎症)によって引き起こされることもある。インドでの症例研究では、アストラゼネカ製の新型コロナワクチン接種から2日後に激しい筋肉痛に襲われた男性が紹介されている。医師は、その痛みが腕の筋肉への直接的な損傷によるものであることを発見した。

関節炎

「Rheumatology」誌に掲載されたベルギーの研究では、新型コロナワクチン接種後すぐに関節炎を発症した17人を追跡調査した。他の研究では、mRNAワクチンやDNAワクチンを接種した数日から数週間後に、新たに関節炎を発症したり再発した症例が報告されている。

肋軟骨炎

これは胸郭の関節が炎症を起こし、胸痛を引き起こす疾患だ。肋骨の痛みはあまり一般的な現象ではなく、ほんの一握りの症例しかない。

ニューヨークを拠点とするエポックタイムズ記者。主に新型コロナウイルス感染症や医療・健康に関する記事を担当している。メルボルン大学で生物医学の学士号を取得。