バイデン大統領は、米国の製鋼業を強化するには、国内での所有と管理が極めて重要であると述べ、製鋼業界における米国労働者の推進力を保持する必要性を強調している(Photo by BRENDAN SMIALOWSKI/AFP via Getty Images)

バイデン大統領 新日鉄によるUSスチール買収案に反対を表明

バイデン米大統領は3月14日、新日本製鐵(新日鉄)が米国の製鋼会社USスチールを買収しようとする計画に対し、反対する姿勢を表明した。

バイデン大統領は、米国の製鋼業を強化するには、国内での所有と管理が極めて重要であると述べ、製鋼業界における米国労働者の推進力を保持する必要性を強調した。

これは、米国製造業の再興への彼の深い関心を示すものであり、今年行われる大統領選の再選キャンペーンの一環ともなっている。選挙年において、労働組合の支持を確保するため、商業界や日本に対する潜在的な挑戦を受け入れる覚悟をバイデン大統領は示した。

新日鉄は前年の12月に、ペンシルベニア州ピッツバーグに拠点を置くUSスチールを141億ドル(約2兆1千億円)で買収する計画を発表したが、この計画は、米国では供給チェーンと国家安全保障への影響を懸念させた。

特に、米国が中国共産党への厳格な貿易政策を実施している中で、世界で第4位の製鋼生産者の新日鉄が、中国に9つの工場を有している事実は、バイデン政権の注意を引くものだろう。中国の資産は、この取引をさらに複雑化させる要素である。

さらに、この買収案は労働組合だけでなく、共和党の大統領候補であるトランプ氏からも反対されている。トランプ氏は、再選されれば、この買収を阻止すると宣言している。

新日鉄は、米国の労働者を失業させず、USスチールの名称とピッツバーグの本社を維持するという約束で、批判者たちを安心させようとし、同時に新たなリソースを投入し雇用の増加を促進すると強調している。

対米外国投資委員会(CFIUS)は現在、この計画を審査中であり、中国の資産が審査の焦点となるかどうかは未だ明らかではない。

情報筋によれば、バイデン大統領にはこの件に関して大きな影響力があるものの、審査プロセスに介入することや、この買収を公式に阻止することはないとされている。

ホワイトハウスの国家安全保障の報道官、ジョン・カービー氏は、バイデン大統領がこの買収を直接阻止したいのか、それともその構造を変更したいのかについての直接的な言及を避けたが、日米同盟の重要性を強調した。

米国商工会議所は、この取引を阻止することは、外国からの米国への投資を損ない、日米同盟に悪影響を及ぼす危険性があるとして、無謀な行動であると警告している

商工会議所の国際事務責任者であるマイアン・マーフィー氏は、CFIUSの審査は政治的な影響を受けるべきではなく、この審査で国家安全保障上の問題が見つからなければ、取引は進行すべきだと強調した。

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