約5割が相続について親と「まったく話さない」と回答!相続を経験したことがない男女500人が抱える相続の不安とは?

株式会社アシロは、相続に関する相談・対応を得意とする弁護士・法律事務所を検索できるポータルサイト「ベンナビ相続」にて、相続を経験したことがない20歳以上の男女500人を対象に、相続に関するアンケート調査を行いました。

2023年4月に改正民法が施行され、相続に関する法制度の見直しがありました。具体的には、①遺産分割協議において、具体的相続分の割合による分割を求めることができる(特別受益や寄与分を主張できる)のは相続開始後10年以内に限るとの期限が設けられたほか、②遺産共有と通常共有が併存する場合において、相続開始時から10年を経過したときは、遺産共有関係の解消も地方裁判所等の共有物分割訴訟において実施することができるようになった等の変更点があります。

また、2024年4月からは改正不動産登記法が施行となり、不動産を相続したときから3年以内に相続登記の申請が義務付けられ、正当な理由なく期限内に手続きが完了しなかった場合には10万円以下の過料(行政上の罰則)が科せられることになります。

相続は誰しもが当事者になり得るライフイベントであり、少子高齢化社会である日本においては今後数十年にわたり相続の発生件数が減少する可能性は低く、それぞれが正しい相続の知識を身に着け、時には専門家を頼ることが求めるでしょう。

今回、「ベンナビ相続」が主体となり、相続を経験したことがない20歳以上の男女500人に対して、相続に関するイメージや不安などを調査いたしました。

今後もこうした調査を活かし、相続の当事者になった方がご自身にとって適切な選択肢をとれるように、さまざまな情報を発信してまいります。

<調査の実施概要>

調査対象: 相続を経験したことがない20代〜60代500人

年齢割合: 20代(10%)30代(22%)40代(32%)50代(23%)60代(13%)

調査方法: Freeasyを用いたインターネットリサーチ

調査日 : 2024年3月7日(木)

<調査サマリー> 

手続きや手間へネガティブなイメージを持つ方が大多数で、話題にしづらいと考える方も一定数いる。

最も不安に感じることは「手続きの煩雑さ」だが、相続税や親族間トラブルへの不安も多い。

相続について49.4%が親と話したことがない。

相続に対して不安を抱えるも、誰かに相談したことがない方が大多数で、弁護士や司法書士などの専門家へ相談した方は少数となった。

 

相続のイメージは「大変」「面倒くさい」など手続きの煩雑さが目立つ

 

はじめに、対象となる相続を経験したことがない男女に「「相続」にどんなイメージがありますか?」と質問したところ、321人が「手続きが大変」、296人が「面倒くさい」と回答し、手続きに対して悪いイメージを持っている方が多いことがわかりました。

一方で「トラブルが多い」、「税金が多くかかりそう」など、相続そのものがトラブルの原因となることや、経済面でのネガティブな印象を持っている方も多いようです。

また、年齢層によっては「自分にはまだ関係ない」と回答する方も一定数いることから、相続に関する関心の低さが伺えます。

 

不安の1位は「手続き」だが、税金や分割なども不安材料となる

 

続いて、相続に対する不安について具体的な内容を質問したところ、「どんな手続があるのかわからない」が245人で1位となり、相続の知識不足がそのまま不安につながっていることがわかりました。

また、2位と5位の間で回答数は18件の差しかないことから、相続を経験したことがない方の多くが、相続に関するさまざまな不安を抱いていることがわかります。

 

半数が相続について親と話したことがなく、必要性を感じない人も多い

 

続いて「親と「相続」について話したことはありますか?」と質問したところ、49.4%の方が「まったく話さない」と回答。

一方で、「よく話す」、「時々話す」と回答した方は17.0%に留まりました。

「まったく話さない」と回答した247人に対してその理由を聞いたところ、1位は「切り出しにくい」となりましたが、2位の「まだ元気なので話す必要がない」と3位の「遺産がなさそうなので必要ない」となっており、多くの方が現時点では話し合う必要性を感じていないようです。

 

7割以上が相続に対する不安を感じるも、誰にも「相談したことがない」

 

相続に対して何らかの不安を持つ416人に対して、「相続に対する不安を誰かに相談しましたか?」と質問したところ、「相談したことがない」という回答が約7割となる294件を占めました。

相談したことがある場合、相談先として最も多いのは「兄弟・姉妹」や「親族」となっており、相続時に当事者となる相手と話しているようです。

中には身内だけではなく、「弁護士や司法書士などの専門家」や「市役所などの行政機関」へ相談したケースもあるようですが少数に留まりました。

 

調査結果のまとめ

「相続」は専門的な知識を要するうえ、身内の不幸が合った際に起こるイベントであるためネガティブなイメージもあり、話題にしづらいと考える方が多いです。

しかし、事前に家族間で話したり、自分で調べられることは調べたりするほか、専門家に相談することで、相続に関する手間やトラブルを未然に防ぐこともできます。

ひとりで悩みを抱え込んだり、目をそらしたりすることで、いざ相続となったときにトラブルが発生してしまうケースは決して少なくありません。

相続の事前準備をしておくことで、不安が解消されたり、スムーズに相続が進んだりすることもあるため、まずは親をはじめとした身近な人、弁護士や行政の相談窓口といった専門機関へ相談するも検討すると良いかもしれません。

「出典:ベンナビ相続」
URL https://souzoku-pro.info/columns/survey/684/