かつて最も値崩れしにくいと言われた中国上海も、いまや持ちこたえられなくなっている。住宅価格は下落を続け、仕事はますます見つかりにくくなり、商店街には客の姿がまばらである。多くの上海市民が、暮らしが日に日に苦しくなっていると感じている。
まずは住宅の状況を見てみよう。上海の不動産ブロガー「財班張張」によると、上海の中古住宅の平均価格はすでに2016年の水準にまで戻っているという。2016年に購入した人であれば、帳簿上はかろうじて損得ゼロの状態だが、家賃収入を考慮せず年間3%の損失と計算すれば、10年で30%のマイナスになる。2020年から2022年にかけて購入した場合、ローン利息などのコストを含めると、損失はすでに50%を超えている可能性がある。
一部の不動産仲介業者は、陸家嘴(りっかし)の中心エリアでは、かつて1平米あたり十数万元(約250万円前後)だった物件が、現在は4万元余り(約70万円)に下がり、下落幅はおよそ70%に達したと話した。
競売物件市場の状況も芳しくない。データによると、2025年10月から12月の間に上海で競売にかけられた不動産のうち、約70%が定価の5割から7割で売却された。
住宅価格の急落に加え、リストラの波も押し寄せ、多くの持ち家世帯が窮地に陥っている。上海のあるソフトウェアエンジニアはネット上で、自身の体験を明かした。夫婦で年収30万元余り(約520万円)あり、両親の援助を受けて初めてのマイホームを購入した。毎月の返済額は1万3千元(約22万円)だが、妻が妊娠を機に退職し、自身も解雇されたという。購入時に400万元を超えた住宅は200万元にまで下落した一方、ローン残高はまだ280万元余り残っている。
彼は家を手放して返済を断念することも考えたが、競売では150万元でしか売却できず、銀行からはさらに130万元余りの返済を求められた。夫婦ともに信用ブラックリストに載ってしまったという。彼は「私たちの人生は、家を買ったあの日から変わってしまった」と嘆いた。
同じような事例は少なくない。ネット上で拡散した動画では、41歳の上海の女性が失業後、700〜800通もの履歴書を送ったが、すべて返事がなかったと語っている。彼女は社会保険付きで月給3千〜4千元の仕事で構わないと望んでいるが、雇ってくれるところがなかったという。
就職が難しいだけでなく、商売も厳しさを増している。上海では閉店の波が広がっている。大型ショッピングモールから路面店まで、次々と店を閉めている。ある飲食店経営者は動画で、昼食時にも客が一人も来なかったと語り、また美容室の店主は、数日連続で売上が100元にも満たず、十数年の営業で最悪の状況だと嘆いている。
住宅、雇用、消費という「三重の重圧」に押しつぶされ、多くの上海市民が苦境にあえいでいる。ある市民は「今や全国民が負債を抱えている。この責任はいったい誰にあるのか」と問いかけた。起業家は債務不履行者とされ、市民の多くは借金生活に陥っている。残された仕事はフードデリバリーや配送のような職ばかりで、収入は支出に到底及ばない。
その市民は、「役所で机に座り、お茶を飲んでいる官僚には庶民の苦しみが分からない。資金が、もともと金に困っていない人々のもとへ流れていったことを、彼らは本当に知らないのか。一般市民に残されたのは、混乱と疲弊だけだ」と語った。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。