みすぼらしい客と立派な客(イメージ図)

みすぼらしい客と立派な客【世界むかしばなし】(14)

昔々、ある国にとても賢い王様がいました。ある日、王様は乗馬に出かけ、見事な邸宅の前を通りかかりました。「あの家には誰が住んでおる?」と王様が尋ねると、「あの家にはこの国一番の金持ちが住んでおりまして、毎日羽振りのいい客を招いては最高に手の込んだごちそうをふるまっております」と家来は答えます。「貧しい者には何をしているのかね?」と王様が聞くと、「何もしていないようです」と家来は答えました。

 

次の日、王様は着古されたぼろを身にまとって金持ちの家に向かいました。主人は入り口に座っていました。王様は低く腰をかがめ、「だんなさま、お腹が空いて疲れ果てています。食べ物をいただけませんか。この立派な家で少し休ませてください」と頼みました。

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地位と名誉に恵まれ、割と順調だった人生を終えようとする間際。王様は死の床で、何を思ったのでしょうか。何に執着していても、人間があの世に持って行けるものはただ一つ。すべてを手にした彼にとって一番大切なものが分かったのは、人生の最後でした。