2023年12月18日、テキサス州イーグルパスで、メキシコからリオ・グランデ川を渡った後、米国国境警備隊の手続きを待つ1000人以上の不法移民たち(John Moore/Getty Images)

グローバリズムと自由は相容れない

アメリカの移民危機について友人と話したとき、彼女は興味深い見解を示した。今日、世界で最も繁栄している西側諸国の多くが、同じ問題に直面している。移民が溢れかえり、システムを圧迫し、市民を激怒させ、財政負担を増やし、治安を乱している、政治的不安定を招きかねない。

数十年もの間、国境紛争や他の混乱に関連した局地的な移民問題は多かった。それなのに、なぜ一度に多くの国々が壊れた移民システムを悪用する人々の大量発生に直面することになったのだろうか? 言い換えれば、どうして地域的な問題がこんなに急速に世界的な問題になったのか? なぜすべての国境システムが一斉に崩壊したのか?

 

そして、その前の問題について考えてみよう。私たちはCOVID危機に対してグローバルな対応をしてきた。ほとんどの国の政策反応は不気味なほど似ていた。マスク、ソーシャル・ディスタンシング、閉鎖、旅行制限、収容人数制限などが行われたが、一方で大企業は営業を続けることを許した。これらの方法は、現代で前例がないものだったが、ほとんどの国で試みていた。

 

それに従わなかったスウェーデン、タンザニア、ニカラグアなどの国々は世界のメディアから容赦ない攻撃を受けている。

 

移民問題とパンデミック計画の問題は、たった2つのデータポイントに過ぎないが、どちらも不穏な現実を示唆している。ルネサンス以来、場合によっては古代世界までさかのぼり、政治を支配してきた国民国家は、グローバリズムと呼ぶべき新しい政治形態に移行しつつある。

グローバリズムとは、国境を越えた貿易のことではない。それは、政治的統制のことであり、各国の市民から、市民が統制したり影響を与えたりできない別のものへと向かうことである。

 

1648年に締結されたウェストファリア条約以降、政治には国家主権の考え方が浸透した。すべての国が同じ政策を必要としていたわけではない。平和という目標に向かって、違いを尊重していたのだ。このことは、国家間の宗教的多様性を容認することであり、別の意味での自由な展開につながる譲歩であった。このシステムはうまくいったが、誰もがそれに満足したわけではない。

▶ 続きを読む
関連記事
経済規模でカリフォルニア州やニューヨーク州など米国トップクラスの州は中国との貿易拡大を優先し、中共の影響に迎合している結果、自州だけでなく米国全体が、世界で最も強力で危険な権威主義的影響にさらされている
イランによるホルムズ海峡封鎖に対し、米国がいかに主導権を奪還すべきかを論じる
北朝鮮が狙う「対衛星兵器」は単なる技術誇示ではない。国内を弾圧し国外を脅かす独裁体制の本質が、宇宙へと拡張された「新たな戦場」の序曲である
イランに対する軍事的成功は、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の拘束やシリアのアサド政権の打倒に続いて、ほどなくして起きたものであり、世界中の独裁者に対する警鐘をますます大きく鳴らしている。もし米国に敵対すれば、安全ではいられない。
米国とイスラエルがイランを共同攻撃し、イランがホルムズ海峡を封鎖したことで原油価格が上昇した。米国を含む各国は油価抑制のため複数の措置を講じたが、効果は限定的だ。ある専門家は、油価を下げる最も有効な措置はホルムズ海峡の再開であると指摘する