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オレガノの魔法

『オレガノ』 料理を彩り、健康を守る万能スパイス

オレガノは、「ピザのスパイス」として知られ、ピザやパスタの風味を引き立てる欠かせない存在です。しかし、料理だけではなく、このハーブは何千年にもわたり、驚くべき薬効で人々に愛用されてきました。
伝統医療の中で、オレガノは歯の痛みや呼吸器の病気だけでなく、関節炎、糖尿病、腎臓の疾患、肺の病気、さらにはてんかんの治療にも用いられてきました。

古代エジプトでは、オレガノのオイルが食品の保存や毒の解毒剤として使われていました。また、古代ギリシャやローマでは、オレガノは「喜びと幸福の象徴」とされ、医師ヒポクラテスはこれを消毒薬として使用していたことでも知られています。

オレガノがアメリカで人気を得たのは第二次世界大戦後のことです。イタリアに駐留していたアメリカ兵たちが、このハーブの風味を気に入り、それをアメリカに持ち帰ったのです。その結果、1948年から1956年にかけてアメリカでのオレガノの販売量は52倍に増加したと、The Saltの記事で報じられています。

このように、オレガノは料理用のスパイスとしてだけでなく、伝統的な薬草としても現代において欠かせない存在となっています。

オレガノはイタリア料理以外にも合います。ビタミンCと組み合わせると代謝が促進され、蜂蜜と組み合わせると抗菌効果が高まります(大紀元、Shutterstock)

 

オレガノの豆知識

  • オレガノという名前は、ギリシャ語の「oros」(山)と「ganos」(喜び)に由来し、「山の喜び」を意味します。
  • 古代ギリシャ人は、オレガノが生い茂る野原で草を食べた牛の肉は特に風味が良くなると考えていました。
  • オレガノは、チーズやソーセージ、肉、果物、野菜など食品保存において、化学的な抗菌剤の自然な代替手段として使われることがあります。
  • 何世紀にもわたり、オレガノはお茶として飲まれてきました。これは、風邪や喉の痛み、消化不良を和らげるために利用されてきたと言われています。
  • オレガノの精油は非常に濃縮されており、ほんの数滴でも強い健康効果をもたらします。

 

オレガノの特別な効能

オレガノはシソ科(Lamiaceae)に属する植物で、いくつかの種類があります。その中でも最も研究が進んでいるのは「Origanum vulgare」という種で、一般的にオレガノやワイルドマジョラムと呼ばれています。
オレガノが持つ健康効果は、抗酸化作用、抗炎症作用、そして抗菌作用に由来します。

生のオレガノにもこれらの効果をもたらす成分が含まれていますが、研究では主に「オレガノ精油」という濃縮された形が使われています。この精油は外用(肌への使用)や内用(飲用)として利用できますが、使い方には注意が必要です。精油は必ず別の植物オイル(キャリアオイル)で薄めてから使うようにしましょう。そのまま肌に塗ったり、薄めずに飲んだりすると刺激を引き起こす可能性があります。安全に使用するには、専門家やハーブの知識がある人に相談することをおすすめします。
 

1. 感染症への効果

オレガノは、伝統医学で風邪やインフルエンザ、気管支炎、尿路感染症、結核、さらには感染した傷の治療に広く使われてきました。

科学的な研究でも、オレガノ精油が細菌、ウイルス、真菌に対して強い抗菌作用を持つことが確認されています。この効果の主な要因は、オレガノに含まれるカルバクロールとチモールという成分です。これらは薬剤耐性の細菌、大腸菌(E. coli)やサルモネラ菌に対しても有効であることがわかっています。このため、オレガノは抗生物質が効きにくい細菌への新たな対策として注目されています。

たとえば、『Frontiers in Microbiology』に掲載された研究では、オレガノ精油がメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を含む13種類の多剤耐性菌を殺菌することが確認されました。また、20回連続で使用しても細菌が耐性を獲得しないことも報告されています。

さらに、細菌に感染した重いやけど(3度熱傷)のマウスに対する研究では、オレガノ精油が未治療の傷と比べて細菌感染を大幅に減らしたことが示されました。研究者たちは、オレガノが従来の抗生物質よりも有利な点を持つ可能性を指摘しています。

従来の抗生物質は、細菌の1つの部分をターゲットにして作用するため、細菌が時間をかけて耐性を発達させることがあります。一方、オレガノ精油は細菌の細胞膜や細胞壁、タンパク質、酵素、DNAなど複数の部分に同時に働きかけます。この多面的なアプローチにより、細菌が耐性を持つことが難しくなります。また、オレガノ精油は何世紀にもわたって食品の保存や消毒に使われてきましたが、これまでに耐性菌が生まれたという報告はありません。

さらに、オレガノ精油は真菌感染症にも効果があることが確認されています。たとえば、『Molecular and Cellular Biochemistry』に掲載された研究では、オレガノ精油がカンジダ・アルビカンス(Candida albicans)と呼ばれる真菌の増殖を抑えることが分かりました。このため、オレガノは真菌の増殖を抑える自然療法としての可能性を示しています。

また、オレガノ精油は寄生虫感染症にも効果を発揮することがわかっています。2024年に発表された研究によれば、オレガノ精油は寄生虫「トキソプラズマ・ゴンディイ」(Toxoplasma gondii)の増殖を24時間以内に84%抑える一方で、人間の細胞には安全であることが確認されました。
 

2. 心臓の健康をサポート

オレガノは、古くから伝統医療で心臓の健康を支えるハーブとして利用されてきました。最近の科学研究でも、オレガノがコレステロール値を改善したり、酸化ストレスを軽減することで心血管の健康を促進する可能性があると報告されています。

2024年に発表されたランダム化比較試験のレビューによると、オレガノを摂取することで、糖尿病や代謝症候群(生活習慣病の一種)の患者において、善玉コレステロール(HDL)が増加し、悪玉コレステロール(LDL)が減少したことが確認されています。

さらに、『The Journal of International Medical Research』に掲載された臨床試験では、オレガノエキスを3か月間摂取した参加者のHDLコレステロールが増加し、LDLコレステロールが減少しました。また、心臓病のリスクを示す指標として知られる「高感度C反応性タンパク質(hs-CRP)」の数値も低下したとされています。これらの結果から、オレガノは炎症を抑えたり、コレステロール代謝を改善することで、心疾患のリスクを低下させる可能性があると考えられています。

オレガノの健康効果は、カルバクロールやチモールといった主要成分に加えて、ρ-シメンやγ-テルピネンといった化合物によるものとされています。これらの成分は抗酸化作用や抗炎症作用を持ち、酸化ストレスや体内の炎症を軽減し、結果的にコレステロール値の改善を助けると考えられています。
 

3. 消化を助ける効果

オレガノは、昔から消化不良や胃痛、吐き気、腹痛を和らげるために使われてきました。

特にギリシャ産のオレガノは、腸内のガスを排出する「駆風薬」として知られています。また、消化器系の不調や胆汁の分泌を促す効果があるとされ、ヨーロッパでは公式な薬用ガイドである「ヨーロッパ薬局方」にも記載されています。

オレガノに含まれる成分「チモール」には、消化を助けるさまざまな効果が報告されています。2017年の研究レビューでは、チモールがマウスの大腸炎やラットの潰瘍を改善したり、ラットの気管痙攣を緩和したりすることが確認されています。また、2004年の研究によると、チモールは人間の唾液に含まれる消化酵素「アミラーゼ」の分泌を活性化させることがわかっています。このアミラーゼは、デンプンを分解して消化を助ける重要な酵素です。
 

4. 糖尿病を改善する効果

オレガノは、昔から糖尿病の治療に使われてきたハーブで、副作用が少ない糖尿病治療の代替手段として研究されています。

2014年の研究では、2型糖尿病のマウスにカルバクロールを35日間投与したところ、血糖値とインスリン値がほぼ正常に近い状態になりました。また、血糖値の管理指標であるヘモグロビンA1C(HbA1c)の値が大幅に減少し、総ヘモグロビン量が増加したことも確認されました。このカルバクロールの効果は、アメリカ食品医薬品局(FDA)が承認している糖尿病薬「ロシグリタゾン」とほぼ同等でありながら、副作用は一切観察されませんでした。

一方、1型糖尿病は、膵臓でインスリンを作り出すβ細胞が徐々に破壊されることによって起こる病気で、現在の治療は主にインスリン注射に頼っています。2015年の研究では、1型糖尿病を引き起こす薬剤(ストレプトゾトシン)を与えたマウスにオレガノエキスを投与したところ、一部のマウスで糖尿病の発症を予防できました。また、予防的に処置を行った場合、インスリンの分泌量が大幅に増加し、健康なβ細胞の数が維持されたことが確認されました。この研究でも、副作用は報告されていませんでした。
 

その他の潜在的な効果

がん細胞の増殖抑制 2023年のレビューによると、オレガノに含まれる成分が特定のがん細胞の増殖を抑える可能性があることが示唆されています。この研究は、オレガノががん予防や治療に役立つ可能性を示しています。また、2021年の別のレビューでは、オレガノががん細胞の死を誘導する効果があることが報告されています。ただし、これらの研究はまだ初期段階であり、人を対象とした詳しい検証が必要です。

喘息の症状改善 2017年に実施された臨床試験では、喘息患者が2か月間カルバクロールを摂取した結果、肺機能が改善し、呼吸器症状が軽減したことが確認されました。このことから、オレガノは喘息の補助的な治療に役立つ可能性があります。

肥満の予防 2024年に『Food Science & Nutrition』に掲載された研究では、オレガノエキスが肥満マウスの体重を減少させる効果が確認されました。この効果は、脂肪代謝に関連する遺伝子を調整することによるものとされています。また、2012年の研究では、カルバクロールが高脂肪食を与えられたマウスにおいて、炎症に関連する遺伝子の発現を抑制し、肥満を予防する効果があることが示されました。

メンタルヘルスの改善 動物を対象とした研究では、オレガノが不安を軽減し、慢性的なストレスによる認知機能の低下を防ぐ効果が確認されています。たとえば、2022年の『Brain and Behavior』に掲載された研究では、オレガノエキスを摂取したマウスが不安行動を減少させ、記憶や学習能力が改善したと報告されています。この研究では、神経の健康に重要な役割を果たす「脳由来神経栄養因子(BDNF)」の増加も確認され、オレガノがストレスによる悪影響を軽減する可能性が示されました。

肝臓の保護 オレガノ精油に含まれるカルバクロールには、肝臓を保護する効果があることが示されています。『Food Science & Nutrition』の研究では、オレガノエキスが肥満マウスの脂肪肝を改善したと報告されています。また、2015年の研究では、カルバクロールが毒素による肝臓の損傷を受けたラットで肝機能を回復させたことが確認されました。

痛みの軽減 2022年の研究によると、オレガノ精油がマウスにおいて痛みを軽減する効果を示しました。この研究は、ホルマリンテストやホットプレートテストといった動物モデルを使用して行われました。

 

栄養素との相乗効果

オレガノは、以下のような免疫力をサポートする食材や栄養素と組み合わせることで、その効果をさらに高めることができます。

ニンニク 2020年の研究では、オレガノとニンニクを37日間組み合わせて与えたところ、飼育用の若鶏(ブロイラー)の寄生虫が減少し、成長が促進されました。この効果は、一般的に使用される抗寄生虫薬(抗コクシジウム薬)を使わずに達成されました。

タイム タイムもオレガノと同様にチモールという有効成分を含み、抗酸化作用や抗菌作用を補強します。2007年の研究では、大腸炎を患ったマウスにタイムとオレガノ精油を組み合わせて与えた結果、炎症が軽減し、大腸の損傷が回復。また、体重も増加し、大腸炎からの回復が確認されました。

ハチミツ 2018年の研究によると、ハチミツとオレガノ精油を一緒に使うことで、腸球菌(ストレプトコッカス・フェカリス)や一部の大腸菌(E. coli)に対する抗菌効果が高まることが分かりました。

ショウガ ショウガもオレガノと同様に、体の炎症を抑える効果があります。2023年の研究では、ショウガを7日間摂取することで、体内の炎症や組織損傷に関与する「好中球外胞トラップ」の形成が減少することが確認されました。この作用は、特定の自己免疫疾患の症状改善につながる可能性があります。

ビタミンC:2015年の研究では、オレガノ精油とビタミンCを組み合わせて与えることで、若鶏のトリグリセリド(血液中の中性脂肪)や血糖値、ストレスホルモンであるコルチコステロンの値が単独での使用よりも大幅に低下しました。この結果は、代謝の健康を促進し、ストレスを軽減する上で、両者が相乗効果を発揮することを示しています。

 

レシピ オレガノ風味のオイル

この簡単なレシピで、オレガノを多目的に使えるオイルに変身させましょう。このオイルは、軽い切り傷や筋肉痛のケアに役立つほか、パン、パスタ、焼き野菜にかけて、風味と健康効果をプラスする調理用オイルとしても活躍します。できるだけオーガニックの材料を使うことをおすすめします。

材料

  • オレガノの新鮮な葉 1カップ
  • オリーブオイルまたはアボカドオイル 1カップ

作り方

  1. オレガノの葉をよく洗い、水気を完全に取り除きます。
  2. ガラスの瓶に葉を入れ、オイルを注いで葉が完全に浸かるようにします。
  3. 瓶を密閉し、2週間そのまま置きます。この間、数日ごとに軽く上下にひっくり返します。
  4. 2週間後、チーズクロスでオイルをこして、清潔な瓶に移します。
  5. 冷暗所で保存すれば、6か月間使うことができます。

 

手軽にオレガノを取り入れる方法

オレガノは、新鮮な葉、乾燥したもの、精油、エキスなど、さまざまな形で利用できます。また、オレガノは製薬分野でナノテクノロジーにも応用されています。ここでは、日々の生活にオレガノを手軽に取り入れる方法をご紹介します。

食材のトッピングとして 乾燥または新鮮なオレガノをサラダ、スープ、ソース、スクランブルエッグ、焼き野菜、またはグリルした肉に加えてみましょう。料理用として特に人気があるのは、ギリシャオレガノとイタリアオレガノです。ギリシャオレガノは香りが強くスパイシーで、イタリアオレガノは甘みのある風味が特徴です。

スムージーのアクセントに 朝のスムージーにひとつまみの乾燥オレガノを加えると、抗酸化作用をプラスできます。

調味料ミックス オレガノをガーリックパウダー、パプリカ、タイムなどのハーブやスパイスと混ぜて、万能調味料を作りましょう。

ヨーグルトディップ オレガノをプレーンヨーグルト、レモン汁、オリーブオイルと混ぜるだけで、ヘルシーなディップやトッピングが完成します。

パンや生地に練り込む パン、ピザ、ビスケットなどの生地にオレガノを練り込むことで、焼き上がりに風味を加えることができます。

マリネに活用 オレガノをオリーブオイル、ニンニク、レモン汁と混ぜて、鶏肉、魚、豆腐のマリネ液として使いましょう。

お茶として 乾燥オレガノの葉を小さじ1杯、熱湯に10分間浸して、香り豊かなハーブティーを楽しむことができます。

エキスとして オレガノエキスは、錠剤やカプセルの形で広く市販されており、アルコール、グリセリン、オイル、水、または二酸化炭素を用いたさまざまな抽出方法で作られています。また、一般的に利用可能なエキスの一種として、チンキ剤(アルコール抽出液)もあります。

精油として オレガノの中で最も濃縮された形である精油は、蒸留法によって作られます。使用する際は、必ずココナッツオイル、ホホバオイル、オリーブオイルなどのキャリアオイルで希釈してください。初めて使用する場合は、まず皮膚の小さな部分でパッチテストを行いましょう。また、医療専門家の指導がない限り内服は避け、妊娠中や授乳中の使用も控えてください。さらに、ディフューザーを使って空間に拡散させる方法でも利用できます。

アルコール飲料 一部のワイン、ベルモット、ビール、クワス(ロシアの発酵飲料)にはオレガノが含まれています。

 

品質を重視した選び方

オレガノはその健康効果で注目される一方、製品の品質には大きな差があり、慎重に選ぶことが重要です。2021年に欧州連合(EU)が行った調査によると、295のオレガノ製品のうち48%(142製品)が偽装の疑いがあると報告されました。このような背景から、信頼できる高品質なオレガノ製品を選ぶための基準を押さえておく必要があります。

まず、オレガノを選ぶ際にはオーガニックで非照射の製品を選ぶことをお勧めします。有機栽培のものは化学薬品の使用が抑えられており、非照射(放射線処理を行っていない)であれば栄養素が損なわれる心配もありません。また、抗酸化物質の含有量を考慮すると、市販されている加工品よりも新鮮なオレガノの方がその効果が高いとされています。

さらに、オレガノ精油を選ぶ場合は低温圧搾されたものを選ぶのが理想的です。高温処理や化学薬品、精製処理を行った精油は、オレガノに本来備わる抗酸化作用や抗菌作用に悪影響を与える可能性があります。特に、製品がカルバクロール含有量を標準化しているかどうかも確認しましょう。カルバクロールはオレガノの主要な有効成分であり、含有量が一定であれば、製品ごとに効果のばらつきを抑えることができます。

オレガノの適切な使用量

オレガノには標準的な1日の摂取推奨量というものは定められていません。ただし、オレガノ精油を使用する場合、キャリアオイル(希釈用の油)1杯につき1~2滴を混ぜるのが一般的な使い方です。精油を内服する場合は、必ず医療専門家の指導のもとで行うようにしてください。

オレガノ茶として利用する場合は、乾燥した葉を小さじ1杯程度、熱湯で10分ほど抽出するのが目安です。このお茶は、1日3回までを目安に飲むと良いでしょう。

 

オレガノの吸収を最適化する方法

オレガノに含まれる脂溶性の成分は、オリーブオイルのような健康的な脂肪と一緒に摂取することで、吸収効率が高まります。

特殊な状況での注意事項

妊娠中や授乳中の女性は、オレガノを使用する前に医療専門家に相談することをお勧めします。高用量のオレガノは子宮収縮を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

また、シソ科(Lamiaceae)の植物、例えばミント、バジル、セージなどにアレルギーを持つ人は、オレガノにもアレルギー反応を起こす可能性があるため避けるべきです。

オレガノの副作用と注意点

オレガノは健康に多くの効果をもたらす一方で、副作用が報告されることもあります。具体的には、血管性浮腫(皮膚の下の腫れ)や口周りの皮膚炎、アレルギー反応などが挙げられます。また、血小板の凝集を抑制する作用があるため、血液が固まりにくくなる可能性があります。他にも、低血糖や流産のリスクが指摘されています。

さらに、大量摂取すると腹痛、便秘や下痢、頭痛、吐き気、出血などのリスクが高まる可能性があります。また、手術の2週間前からは、大量のオレガノ摂取を控えることが推奨されています。

一方で、オレガノおよびオレガノ精油は、アメリカ食品医薬品局(FDA)によって「一般的に安全」と認められています(GRAS:Generally Recognized as Safe)ただし、高用量では軽度の胃腸の不快感が生じることがあります。特にオレガノ精油を使用する際は、必ず希釈して使用し、刺激やアレルギー反応を避けるよう注意が必要です。

 

オレガノと薬の相互作用

オレガノは以下のような薬との相互作用がある可能性があります。

  • 血液を薄める薬(抗凝固薬)
  • 糖尿病治療薬
  • 免疫抑制薬

また、オレガノが銅、亜鉛、鉄といったミネラルの吸収を減少させる可能性が指摘されています。ただし、この点についてはさらなる研究が必要とされています。

特に薬を服用している場合、オレガノを使用する前には必ず医療専門家に相談してください。安全に使用するためには、事前の確認が重要です。

(医学的監修 ジミー・アーモンド医学博士)
 

(翻訳編集 華山律)

カリフォルニア大学デービス校で栄養生物学の博士号、神経生物学、生理学、行動学の理学士号を取得。同大学で生化学と生体エネルギー学を教えている。自然療法の専門家であり、ハーブ療法の指導者としても活躍。栄養補助食品会社の研究開発ディレクターを務めた経験を持つ。