イラスト(shutterstock)

貿易戦争の経済学

ドナルド・トランプ大統領が今週、中国に対して145%の関税、世界のその他の国々に対して10%の関税を課す方針を発表し、90日間の交渉期間を設けると発表したため、世界と金融市場は安堵のため息をついたようだ。

一般的な通念では、いかなる関税もマイナスであると考えられているが、現実はもっと微妙であり、必ずしも通念通りとは限らない。

教科書的な貿易経済学は、スコットランドの経済学者アダム・スミスが、スコットランドとポルトガルが羊毛とワインの相互利益貿易を行うという単純な理論モデルを用いたことから始まる。関税なしで貿易する方が、両国にとって利益になるというものだ。多くの経済学者は、国際貿易の利益を概念化する際に、この知的枠組みを活用してきた。

▶ 続きを読む
関連記事
米中首脳会談は中国優勢との見方を覆し、米国の圧倒的勝利と分析。OpenAIの暴走騒動や米中AI開発競争の激化、米「AI軍」創設宣言が力関係を一変させ、中国を交渉の場へ追い込んだ舞台裏に迫る
中国共産党では第21回党大会に向けた人事が動き始めている。高級幹部の高齢化と世代の断層を背景に、1970年代生まれの幹部が中央委員会にどこまで進出するのか。習近平体制の人事と有力候補を分析
聖書の「バベルの塔」の物語を手がかりに、AI開発競争を考察。技術や資本の集中、共通基盤への依存、競争から取り残されることへの懸念など、現代のAI開発と物語に共通する構図を探る
習近平の訪米に合わせ、ワシントンで中国の民主活動家や香港人、台湾人、チベット人、ウイグル人らが大規模な抗議を実施。若い世代の参加や団体間の連携、越境弾圧への反発など、海外抗議運動の変化を読み解く
国家は永遠ではなくとも、先人から受け継いだ伝統文化や祈りを次代へ手渡す責務は残る。東西の古典や思想を手がかりに、国家崇拝や排外主義に陥らない健全な祖国愛のあり方と、私たちが果たすべき務めを静かに問い直す論考