米中貿易協議 APEC会議で継続 関税引き下げ後の進展模索
米中が関税の一時停止で合意した直後、貿易交渉担当者が韓国で開催中のAPEC(アジア太平洋経済協力)会議の合間に再び会談した。
15日、ブルームバーグは、米通商代表部(USTR)のグリア代表が、韓国の済州島で開催されたAPEC貿易相会議の場で、中国共産党(中共)の李成鋼商務次官と会談したと報じた。
李次官は現地メディアに対し、貿易問題について「良好な対話を行った」と述べた。一方、グリア代表は記者の質問に応じず会場を後にした。
両国は数日前、スイスのジュネーブで会談し、一部関税を90日間停止することで合意していた。APEC初日の今回の会談は、両国が対話を継続していることを示す。
アメリカのグローバル関税は、APEC貿易担当者の主要な関心事となっている。APECは声明で、「貿易摩擦の激化や政策の不確実性が、グローバル貿易の原動力であるAPEC加盟国に、他の地域以上の成長鈍化をもたらしている」と指摘した。
APECは21の加盟国・地域で構成され、貿易総額は世界の約半分を占める。同組織は2025年の加盟国経済成長率予測を3.3%から2.6%に下方修正した。
中共商務省のデータによると、4月の対米輸出は、アメリカへの追加関税発動以降、前年比21%減。アメリカからの輸入も同14%近く減少した。
ジュネーブでの関税大幅引き下げ合意を受け、企業は今後90日間で中国からアメリカへの貨物輸送を加速させると予想される。
李次官は、トランプ氏と習近平の会談や電話協議の予定について「現時点では不明」と述べた。
他のAPEC加盟国の貿易担当者は、会議期間中にグリア代表と会談し、米中交渉の進展を探る意向を示した。
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