ケネディ米保健福祉長官 WHO脱退を各国に呼び掛け 新たな国際保健機関の設立も提案
アメリカのロバート・F・ケネディ・ジュニア保健福祉は5月20日、スイス・ジュネーブで開かれた世界保健機関(WHO)の年次総会にビデオメッセージを寄せ、WHOが官僚主義の肥大や機能不全に陥っていると強く批判した。その上で、アメリカのWHO脱退を「警鐘」として受け止めるよう各国に呼び掛け、同様の立場を取る国々と連携し、新たな国際保健機関の設立も視野に入れていることを明らかにした。
ケネディ長官はメッセージの中で、WHOが中国や製薬業界、ジェンダーイデオロギーから過度な影響を受けていると指摘し、「官僚主義の膨張や固定観念、利益相反、国際的な権力闘争に陥っている」と非難した。また、「アメリカがWHOから脱退する決断をしたのは、透明性や説明責任を果たすことができていない現状を重く見たためだ」と説明した。
さらにケネディ長官は、「われわれはすでに同じ考えを持つ国々と連絡を取り合っており、他の国々にもわれわれに加わることを検討するよう促している」と述べ、アメリカの脱退に同調する動きを各国に求めた。また、「機能不全に陥ったWHOに依存する必要はない。効率的で透明性があり、説明責任を果たす新たな機関を設立するか、既存の国際機関を見直すべきだ」と訴えた。
関連記事
トランプ政権は「容赦なき正義作戦」を開始し、前政権下で所在不明となった不法移民児童約13万人の所在を確認した。性的捕食者の逮捕や被害児童の救出を加速し、児童搾取の撲滅に挑む
人種間の公平性を重視し、停学処分を避けて対話を促す「修復的司法」。しかし米国の学校現場では、処罰の欠如がいじめや暴力の温床となり、秩序が崩壊している。トランプ政権が是正に動く、規律政策の光と影を追う
米政府責任説明局(GAO)の報告書により、バイデン政権下の「特例入国許可(パロール)」制度で数千件の不正が判明。審査の甘さが露呈した。トランプ政権は取り締まりを強化中
トランプ大統領は、高度人材向けの新ビザ「ゴールドカード」の売上が約2,000億円に達したと発表した。100万ドルで居住権を販売し、収益を国家債務返済に充てる。高学歴層の確保と不法移民抑制を狙う
米沿岸警備隊は、ベネズエラから出港した石油タンカーを拿捕した。トランプ大統領による同国への「完全封鎖」宣言後、2隻目の押収となる