ある日、一匹のクマが森の中でベリー(野いちご)を探していると、倒れた木の中にハチの巣を見つけました。
クマはハチが巣にいるかを確かめるため、その倒れた木の周りをゆっくりと鼻で探し始めました。ちょうどその時、クローバー畑から蜜を運んできたハチが戻ってきました。ハチはクマが何をしようとしているのかを理解して、クマに向かって飛んできて、強く刺しました。そして、すぐに木の中の空洞に戻っていきました。

クマはすぐにひどく怒って、歯と爪を使って倒れた木に飛びかかって巣を壊そうとしました。しかし、これによって巣の中のハチたちが一斉に出てきてしまったのです。
かわいそうなクマは逃げなければならなくなり、最後には水たまりに飛び込んでようやく自分を守ることができました。
このお話から、私たちが学べることは、
『怒りで行動する前に、冷静になって考えよう』
焦って行動すると、逆に自分を危険にさらすことがあるよ。
この物語は『子どものためのイソップ童話』(1919年)から抜粋されたものです。
イソップ(紀元前620年頃–紀元前564年頃)は、ギリシャの物語作家であり、「イソップ寓話」として知られる多くの寓話を残した人物です。彼の物語はその道徳的価値を通じて、長い間、私たちの文化や文明に影響を与えてきました。これらの話は、子どもたちの教育や道徳的な人格形成に貢献しただけでなく、普遍的な魅力を持ち、大人たちがその中にある美徳や警告に耳を傾けたりすることで、自己反省にも繋がっています。
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