サツマイモはアメリカ大陸原産の食品です。ペルーの考古学的証拠によると、紀元前8000年にはすでに人々がサツマイモを食べていたとされています。中国では16世紀からサツマイモが広まり、適応力の強さ、成長の速さ、栄養価の高さから、かつては重要な救荒作物として利用されてきました。
現代に至り、サツマイモは再び「スーパーフード」として注目を集めています。その理由は、サツマイモに含まれる豊富な栄養素にあります。「健康1+1」の番組司会者であるJOJO氏は、台湾・黃苡菱栄養相談センターの栄養士、黄苡菱氏を招き、この「大地の恵み」であるサツマイモの根と葉の両方が、さまざまな慢性疾患の予防に役立つことを紹介しました。
3種類のサツマイモはいずれもポリフェノールが豊富で抗酸化力が強い
黄栄養士によると、サツマイモは「全粒穀物・雑穀類」に分類され、ご飯やパンの代わりに空腹を満たす食品として利用できます。黄色・赤色・紫色のサツマイモはいずれも、ミネラル、ポリフェノール類、フラボノイド、カロテン、ビタミン、食物繊維などを豊富に含んでいます。
特にサツマイモには不溶性食物繊維が多く含まれており、黄栄養士は「腸内のお掃除役」のような働きをすると説明します。これは便の量を増やし、腸の蠕動運動を促進し、有害物質をすみやかに排出することで、デトックスに効果的です。
- 黄色サツマイモの特長的な栄養素:カルシウム、フラボノイド、デンプン、不溶性食物繊維が多く含まれます。特に皮には多くのフラボノイドがあり、繊維質も豊富なので、きれいに洗って硬く焦がしすぎないように調理することで、皮ごと摂取しやすくなります。
- 赤色サツマイモの特長的な栄養素:ビタミンA、βカロテン、ルテイン、ゼアキサンチンが豊富で、視力維持に役立ちます。
- 紫色サツマイモの特長的な栄養素:アントシアニン、フラボノイド、不溶性食物繊維が豊富です。
サツマイモに含まれる2つの栄養素が血糖値のコントロールを助ける
黄栄養士は、サツマイモにはポリフェノールとフラボノイドが豊富に含まれていると説明します。これらは抗酸化物質であり、膵臓細胞への酸化ストレスを軽減し、膵臓の機能を保護する働きがあります。
また、ポリフェノールとフラボノイドには、糖尿病治療薬の一種である「インクレチン」と似た働きがあり、血糖の利用を助け、肝臓によるグルカゴンの分泌を抑える効果が期待できます。
ただし、サツマイモはあくまでも「でんぷん質の食品」であるため、摂取量には注意が必要です。黄栄養士は「サツマイモを食べた場合は、その分ご飯などの炭水化物を減らさなければ、逆効果になります」と話しています。
サツマイモの葉は野菜 抗酸化・目の保護に優れる
サツマイモの葉は深緑色の野菜で、クロロフィルを多く含み、優れた抗酸化作用と目の保護効果を持っています。主な栄養素は以下の通りです:
1.ビタミンAとβカロテンが豊富で、視覚の感光機能をサポート
2.カリウムとカルシウム
3.不溶性食物繊維が豊富
4.ゼアキサンチンとルテインが含まれ、ブルーライトから目を守る
スーパーフードの組み合わせ:目の保護・がん予防・生活習慣病の改善
サツマイモとその葉は、慢性疾患の予防に最適な食材です。多くの慢性病は体内の慢性炎症から始まりますが、サツマイモとサツマイモの葉に含まれる抗酸化ポリフェノールやフラボノイドは、血糖値のコントロール、血中脂質の低下、血圧の調整、体内炎症の改善に役立ちます。
これらの効果により、メタボリックシンドロームの予防や、糖尿病・心血管疾患などの慢性病予防、さらにはがん予防にもつながります。
黄栄養士は「サツマイモは加熱することで、ポリフェノールやフラボノイドの量が増えるため、加熱して食べるのが最適です」と話します。ただし、アントシアニンは高温に弱いため、油で揚げるのはおすすめできません。
調理法としては「サツマイモを大きめに切って蒸す」のが最も栄養を活かせる方法です。細かく切ったり、高温で焼いたり揚げたりするのは避けましょう。特に紫サツマイモは、小さく切って茹でると栄養が失われやすいため注意が必要です。
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