揺らぐ国連 多極化する世界で問われる「存在意義」
先月、米ニューヨークで開催された第80回国連総会で、トランプ大統領は演壇に立ち、会場と世界の見出しを揺るがす質問を投げかけた。「国連の目的とは何か?」
故障したテレプロンプターと壊れたエスカレーターの中で発せられた彼の言葉は、人々の心に深く突き刺さった。国連は「強い言葉で書かれた書簡」を発しているにもかかわらず戦争を止められず、ずさんな移民政策で西側諸国の国境への攻撃を助長し、空虚なレトリックに支配された世界でその潜在力を浪費していると非難した。X(旧ツイッター)上では、賛同の声もあれば、国連の人道支援活動を強く擁護する声もあり、反応は激しかった。
トランプ氏の批判自体は目新しいものではなかったが、2025年は多極化する対立、グローバル化の逆流、連鎖する危機の年であり、この問いは切実に感じられた。最近の世界的な炭素税創設の動きも、この問いをさらに重要にしている。
関連記事
国家は永遠ではなくとも、先人から受け継いだ伝統文化や祈りを次代へ手渡す責務は残る。東西の古典や思想を手がかりに、国家崇拝や排外主義に陥らない健全な祖国愛のあり方と、私たちが果たすべき務めを静かに問い直す論考
米中首脳の公式晩餐会には米国の著名経営者が出席した一方、公表名簿に中国企業の経営者は見当たらなかった。筆者は米中対立や党の統制、経営者を取り巻くリスクから、その背景を読み解く
米中首脳会談後、双方が公表した文書には関税やAIを巡る説明に違いが残った。米側だけが記した事項もあり、台湾問題については双方とも言及していない
米中首脳会談で延長の「貿易休戦」。だが、レアアース問題は解決していない。米欧が供給網を再構築するまで数年を要する一方、北京はなお輸出管理を交渉材料にできる。2027年1月10日までの「時間」をめぐる競争が始まった
トランプ大統領が習近平を空港で出迎えた異例の対応。厚遇の一方、米軍基地では軍用機も並んだ。交渉の場づくりから国力の誇示、過去の歓迎への返礼まで、その狙いを五つの側面から読み解く