男性が「無償教育を。富裕層に課税を」と「共産主義」と書かれたプラカードを掲げている写真 Getty Images

社会主義の背後にある反社会的な行為 合法的略奪の構造

オーストリア学派を代表する経済学者ルートヴィヒ・フォン・ミーゼスが提唱した人間行動学(プラクシオロジー)の出発点は、「人間は目的をもって行動する」という極めてシンプルで力強い原理である。より具体的には、人はその時点で最も価値があると判断したものに従って、手元にある選択肢の中から行動を選ぶ、という考え方だ。

この目的は「幸福の増進」と言い換えることもできるし、ミーゼス自身がややぎこちない表現で述べたように、「感じている不安を軽減すること」と表すこともできる。

しかし、これは人間が常に賢明な選択をするという意味ではないし、長期的に自らの人生にとって最良の行動を選ぶという意味でもない。ドキュメンタリー映画『皇帝ペンギン』に登場するペンギンのように、自然がプログラムした最適解に従って生きる存在とは違うのだ。ペンギンには選択の余地がほとんどなく、生存のために本能に従い決まった行動を取るだけである。

▶ 続きを読む
関連記事
娘が父親の叱責をAIに相談し通報に至った事件を機に、現代の家庭教育の崩壊と道徳的危機の深層に迫る。学校が道徳教育を放棄し法律が親のしつけを奪う中、AIに善悪の判断を委ねる社会への強い警鐘を鳴らす
イーロン・マスク氏が率いるスペースXは、5億5555万5555株を1株あたり135ドルで公開し、750億ドルを調達する新規株式公開(IPO)を実施する。買うべきか、買わざるべきか
中国共産党による生体臓器収奪の告発は、なぜ信じられないのか。人は想像を超える悪に直面すると、事実よりもそれを否定する心理を選ぶ。善良さが認識を曇らせる構造を描く
米国は人間の判断を軸にAIと協働する一方、中国は技術窃取と自律化を進め機械依存を強化。倫理観と統治思想の差が戦争の形を左右す。
トランプ大統領の新大統領令を契機に、製薬業界と癒着した公衆衛生官僚機構によるワクチン政策の独占を打破し、民主的な監視や科学的な説明責任、個人の選択の自由を取り戻そうとする思想的な転換を論じる