変形性関節症を内側から支えるコラーゲンの可能性

「コラーゲン」という言葉は、ギリシャ語で「接着剤」を意味する語に由来します。その名の通り、体をつなぎ止める主要なタンパク質であり、特に関節をクッションする軟骨には欠かせません。

変形性関節症で軟骨がすり減ると、コラーゲンは単なる構造的サポートを超えて、関節を保護し、動きを滑らかに保つ役割を担うと考えられています。こうした理由から、初期の変形性関節症に対する選択肢として、コラーゲンサプリメントが注目されています。重要なのは、適切な種類と量を選ぶことです。
 

コラーゲンが関節の健康に重要な理由

コラーゲンは人体で最も豊富に存在するタンパク質です。腱や靭帯の大部分を構成していますが、筋肉や骨とは異なり、加齢とともに比較的早く分解されます。実際、20~30代からコラーゲン量は減少し始め、80歳頃には体内の最大75%が失われる可能性があるとされています。この減少は、けがや関節トラブルのリスクを高める要因の一つと考えられています。

そこで、サプリメントが役立つ場合があります。

「コラーゲンは、変形性関節症の管理において可能性を示しているサプリメントです」と、疼痛医学の専門医であるディーパック・ラヴィンドラン博士はエポックタイムズに語っています。コラーゲンサプリメントは、体内でのコラーゲン産生を刺激し、軟骨を支え、炎症を抑える働きが期待されると彼は述べています。

研究でも、コラーゲンが関節痛の軽減や可動性の改善に役立つ可能性が示唆されています。『Clinical and Experimental Rheumatology』に掲載された、870人が参加した系統的レビューでは、経口コラーゲンサプリメントが変形性関節症の症状を和らげたと報告されています。また、『American Journal of Translational Research』に掲載された別の研究では、1日約40mgの摂取が、軟骨の維持や修復を支え、痛みの軽減につながった可能性が示されました。

「一部の人はコラーゲンを過大評価されたものだと考えていますが、研究は徐々に追いつき、測定可能な変化を示唆し始めています」と、自然療法医でRevital Healthのオーナーであるジョディ・デュバル氏はエポックタイムズに語っています。彼女は、けがからの回復、産後の体調管理、変形性関節症の人々にとって、コラーゲンが役立つ場面を実際に見てきたといいます。

コラーゲンは主に2つの働きで関節に良い影響をもたらします。まず、軟骨を直接支え、軟骨細胞が必要な構成要素をより多く作るのを助けるとともに、骨を作る細胞を活性化し、骨を分解する細胞の働きを緩やかにします。

次に、変形性関節症のもう一つの要因である炎症に関与します。軟骨が崩れると免疫反応が起こり、炎症に関わる物質が増加します。コラーゲンは、この炎症を和らげ、さらなる軟骨損傷の進行を遅らせる可能性があると考えられています。
 

種類と吸収

すべてのコラーゲンが同じように働くわけではありません。選ぶ種類や、体内での吸収のされ方が、関節の健康に大きな違いを生みます。

加水分解コラーゲン:最も研究が進んでいる形態です。大きなコラーゲンタンパク質を、小さなペプチドやアミノ酸に分解することで、腸で吸収されやすくなります。血流に入ると関節組織に届き、軟骨細胞がクッションとなる組織をより多く作るのを助けると考えられています。この吸収の良さ(バイオアベイラビリティ)が、関節向けサプリメントとして好まれる理由です。

ネイティブ(非変性)コラーゲン:こちらは異なる働きをします。腸内で完全に分解されにくいため自然な構造を保ち、免疫システムと相互作用します。この「経口耐性」と呼ばれる仕組みにより、免疫システムが軟骨を過剰に攻撃しないよう調整される可能性があります。その結果、炎症を抑え、関節を保護する働きが期待されます。

簡単に言うと、加水分解コラーゲンは新しい軟骨の材料を補い、ネイティブコラーゲンは免疫反応を落ち着かせて、さらなる損傷を防ぐ役割を担います。

コラーゲンには体内での存在場所によって種類もあります。

タイプ1は皮膚・腱・骨に多く、構造と強度を支えます。タイプ2は軟骨に集中し、関節の弾力性と柔軟性を保つために重要です。タイプ3は軟組織に多く、タイプ1と協力して働きます。

「タイプ1と3は皮膚や骨に、タイプ2は軟骨に適しています」とデュバル氏は説明します。

コラーゲン製品を評価する際、彼女は吸収性が確認されている加水分解コラーゲンペプチドを重視し、関節目的であればタイプ2が明記されている製品を選ぶことを勧めています。

吸収は、他の栄養素と組み合わせることでさらに高まる可能性があります。ビタミンC、ヒアルロン酸、グルコサミンなどは、コラーゲンの働きを支える成分として知られています。

デュバル氏は原料の透明性も重要だとし、草飼い牛由来、野生捕獲の海洋由来、卵殻膜由来のコラーゲンは、一般的なブレンド品より品質が高い傾向があると指摘します。

また、不要な充填剤や甘味料、合成香料を含むサプリメントは、吸収を妨げたり炎症を助長したりする可能性があるため避けたほうがよいと述べています。
 

必要なコラーゲン量は?

次に重要なのは、十分な量を継続して摂れているかどうかです。

「コラーゲンを増やしたい人には、食事とサプリメントを組み合わせる方法が理想的です」とデュバル氏は言います。

食事では、時間をかけて煮込んだブロス、骨髄、オックステールや牛頰肉などのコラーゲン豊富な部位、鶏皮や魚皮が挙げられます。これらは、さまざまな種類のコラーゲンと、コラーゲン由来のタンパク質であるゼラチンを自然な形で含んでいます。

不足分はサプリメントで補うことができます。研究や臨床経験を踏まえ、デュバル氏は関節痛や変形性関節症を目的とする場合、1日10~15gを数回に分けて摂ることを目安としています。臨床研究では、1日10~20gを6~9カ月続けることで、軽度から中等度の変形性関節症において、日常機能や症状の改善が示唆されています。重度の場合、損傷そのものを元に戻すことは難しいものの、症状の軽減が期待されることもあります。副作用はまれですが、魚や卵由来の製品では、軽い消化不良やアレルギー反応が出る人もいます。

「多ければ良いわけではありません。大切なのは継続です」とデュバル氏は強調します。

摂取のタイミングも影響します。運動やリハビリの30~60分前にコラーゲンペプチドを摂ると、活動中の血流増加により、局所でのコラーゲン産生が高まりやすいと考えられています。

個人の健康状態はそれぞれ異なるため、サプリメントを始める前には、栄養士などの専門家に相談するのが望ましいでしょう。以下は、多くの人が取り入れやすいレシピです。
 

関節の健康を意識したコラーゲンレシピ

これらを実際の食事に取り入れるため、デュバル氏はお気に入りの冬の料理を紹介しています。

コラーゲン豊富な牛すね肉と腱の煮込み(圧力鍋版)

この煮込みは、牛すね肉(オッソブーコ)、骨髄、腱、皮付き部位など、コラーゲンを多く含む食材を組み合わせています。圧力鍋でじっくり調理することで柔らかくなり、ゼラチンやタイプ2・3コラーゲンが分解され、グリシンやプロリンなどのアミノ酸が溶け出します。これらは関節の健康を支える栄養素です。さらに、ビタミンC、亜鉛、マグネシウム、シリコンを多く含む野菜やハーブも加え、コラーゲン産生を支える補因子として働きます。

材料

コラーゲン源:
牛すね肉(骨付き) 約900g
牛腱 約225g(任意ですが理想的)
骨髄またはナックルボーン 2個(草飼いが理想)

野菜・ハーブ:
玉ねぎ(みじん切り) 1個
にんじん(みじん切り) 2本
セロリ(みじん切り) 2本
にんにく(つぶし) 3片
生姜(任意、抗炎症目的) 大さじ1
トマトペースト(リコピン・ビタミンC) 大さじ1
りんご酢(ミネラル抽出を助ける) 大さじ1

スパイス:
ターメリック 小さじ1
スモークパプリカ 小さじ1
ローリエ 1枚
塩・黒こしょう 適量

スープベース:濾過水または自家製ブロス 2~3カップ

任意:コラーゲンペプチドパウダー 小さじ2(追加用)

作り方

1.オリーブオイルまたはギーを使い、ソテー機能で肉と骨を焼き色が付くまで焼きます。

2.にんにく、玉ねぎ、生姜、ターメリック、トマトペーストを加え、香りが立つまで炒めます。

3.にんじん、セロリ、酢、肉がかぶる程度の水またはブロスを加えます。

4.蓋を閉め、高圧で45~60分調理します(腱などゼラチンが多い場合は60分)。

5.自然減圧で10~15分置きます。

6.蓋を開けて混ぜ、味を調え、骨を取り除きます(骨髄は食べたり混ぜ込んだりできます)。

7.より濃厚な食感にしたい場合は、一晩冷やしてゼラチンを固め、食べる前に再加熱します。

8.温かいうちに盛り付け、パセリやレモンゼストを添えてビタミンCをプラスします。

機能性の追加

亜鉛や銅を補うためにカボチャの種をトッピングしたり、牡蠣を添えたりするとよいでしょう。さらに、ビタミンC補給として、発酵キャベツやレモン果汁を組み合わせるのもおすすめです。

(翻訳編集 日比野真吾)

ゼナ・ルー・ルーは、健康ジャーナリストで、健康調査ジャーナリズムの修士号を持ち、機能栄養に特化した認定健康およびウェルネスコーチです。スポーツ栄養学、マインドフルイーティング、内的家族システム、および応用ポリヴェーガル理論のトレーニングを受けています。彼女はプライベートプラクティスで働き、英国に拠点を置く健康学校の栄養教育者としても活動しています。