ルッテNATO事務総長(Photo by WOJTEK RADWANSKI/AFP via Getty Images)

NATO事務総長「米国なしでは欧州は自力防衛できず」

NATOのルッテ事務総長は1月26日、ブリュッセルの欧州議会で演説し、ヨーロッパとアメリカは「互いに必要としている」と述べ、アメリカの軍事的関与の重要性を強調した。アメリカの支援がなければヨーロッパは自力で防衛することはできず、仮に独立した防衛体制を構築しようとすれば、現在掲げている国防費の目標を2倍以上に引き上げる必要があるとの認識を示した。

ここ数週間、スペインのホセ・マヌエル・アルバレス外相や、欧州連合(EU)のアンドリウス・クビリウス防衛担当委員が、ヨーロッパ独自の軍隊を創設する可能性に言及している。こうした動きを背景に、ルッテ氏は同日の演説で、ヨーロッパの一部政治指導者の間で浮上している「独立したヨーロッパ軍」構想を厳しく否定した。

ルッテ氏は演説の中で、「私がダボスで述べたとおり、トランプ氏がいなければ、NATO諸国が2025年末までに国防費をGDP比2%に引き上げるという目標を達成することは、決して不可能だった」と指摘した。その上で、「それでもなお、EUやヨーロッパ全体がアメリカなしで自らを守れると考える人がいるのなら、どうぞ夢を見続けてください。あなた方にはできない。私たちにもできない。私たちは互いに必要としている」と述べた。

さらに、ヨーロッパが単独で防衛に乗り出す場合についても言及し、「もし本当に単独で行動しようとし、その準備を進めるのであれば、覚えておいてほしい。国防費をGDP比5%にしても、目標には決して届かない。最終的には10%が必要になる」と語った。加えて、独自の核戦力を構築する必要が生じ、その費用は数十億ユーロ規模に上ると指摘した上で、「そうなれば、私たちの自由にとって最後の保障であるアメリカの核の傘を失うことになる。だから、幸運を祈る」と述べ、現実の厳しさを強調した。

またルッテ氏は、ロシアのプーチン大統領は、ヨーロッパが独自の軍隊を創設するという構想を「非常に喜ぶだろう」と考えている。その理由として、ヨーロッパの軍事力が分散し、全体として弱体化することにつながると指摘した。その上で、ヨーロッパ各国は引き続き、大西洋横断同盟の枠組みの中で、自らの安全保障に対する責任をより多く担うべきだとの考えを示した。

さらに同氏は、今後の重要な課題として、ロシアと中国が北極地域への関与を強め、現地で軍事的な存在へと転じ、より強力な対抗勢力となる動きを、いかに集団として阻止するかを挙げた。同時に、両国が他の地域の経済活動にまで影響力を浸透させることを防ぐ必要性も強調した。

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