混迷する欧州の移民問題 転機を迎える国境政策
先日、モロッコ人約6万人が2日間にわたり、スペイン領セウタの防波堤を泳いで越え、大量に流入する異例の事態が起きた。世界各地で大きく報じられたが、その結末は意外なものだった。今回の出来事は、欧州で移民への対応が厳格化している実態を、一時的に覆い隠す結果となった。
実際には、スペインからルーマニア、英国からイタリア、ギリシャに至るまで、欧州各国では不法移民の流入を抑制し、国境管理を強化しようとする動きが広がっている。
セウタに到着したモロッコ人の大半は、夏場の軽装をした健康そうな若い男性だった。貧困に苦しむ難民といった印象ではなかった。世界の報道から受ける印象とは異なり、スペイン当局やペドロ・サンチェス首相率いる左派政権は、必ずしも無防備だったわけではない。
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