動かなくても筋力は鍛えられる 体幹を支える5つのエクササイズ
リハビリテーションやフィットネスの世界では、「動きこそが筋力につながる」という考え方が一般的です。私が紹介するエクササイズの多くも反復動作を伴いますが、静止した状態で力を入れて緩める運動や、一定の緊張を維持する運動にも十分な価値があります。
私は、静止保持(ホールド)エクササイズを非常に高く評価しています。なぜなら、一部の人にとって負担となる繰り返し動作を最小限に抑えながら、実用的な筋力強化ができるからです。日々の診療では、関節が硬くなった患者さんに対し、不必要な痛みや不快感を引き起こさないよう注意しながら、より強く、自立した生活ができるようサポートしています。その中で私は、動作範囲を短く調整して行うことが、時には最善の方法であると学びました。
動かずに筋力を高める――5つのホールドエクササイズ
以下のエクササイズは、大きな動きを必要とせずに、体幹をしっかり鍛え、強化することができます。
これらのエクササイズは私の患者さんに効果的であり、私自身も気に入っていますが、実践する前に、ご自身に適しているかどうかを確認するため、必ずかかりつけ医や理学療法士などの専門家に相談することをおすすめします。
実践のポイント: このシリーズのエクササイズでは、息を止めないように注意してください。静止姿勢では、無意識に息を止めてしまうことがよくあります。常に一定の呼吸を保ちながら行いましょう。
1. プランク
プランクは、短時間で全身を鍛えられる代表的なエクササイズのひとつです。肩から足先まで多くの筋肉を使う非常に強度の高い運動で、数分以上維持できる人は多くありません。しかし、それは悪いことではなく、むしろ効率的だということです。
ステップ1: 硬く平らな床にうつ伏せになります。
ステップ2: 前腕で体を支え、上腕が床に対して垂直になる位置を取ります。つま先で下半身の体重を支え、肩から足先まで一直線になるように姿勢を整えます。
ステップ3: この姿勢を60秒、または可能な限り長く維持します。かなり難しい運動なので、60秒できなくても問題ありません。できる範囲で挑戦してください。
ステップ4: 60秒、または可能な限り長く保持することで1セットとなります。3セット行うことを目標にしましょう。
うまくできない場合: 姿勢の維持が難しい場合は、体幹に力を入れたまま膝を床につけても構いません。さらに負荷を高めたい場合は、腕立て伏せの姿勢に移行すると難易度が上がります。
おすすめポイント: プランクは短時間で多くの効果を得られ、特に姿勢改善に優れています。
2. サイドプランク
サイドプランクは、プランクを行う際に見落とされがちなエクササイズですが、それは非常にもったいないことです。通常のプランクとは異なる効果が得られるため、両方を行うのが理想的です。
ステップ1: 床などの安定した場所で右側を下にして横になり、右肘と右腰で体を支えます。膝を軽く曲げ、両足を重ねます。
ステップ2: 肩から膝までが一直線になるまで腰を持ち上げます。
ステップ3: この姿勢を60秒、または可能な限り長く維持します。保持できなくなったら横向きに戻ります。持ち上げて戻るまでで1セットです。左右それぞれ60秒を3セット行うことを目標にしましょう。
うまくできない場合: 完全なサイドプランクが難しい場合でも、まずは腰を少しでも床から持ち上げることを目指してください。それも難しい場合は、持ち上げようと力を入れるだけでも構いません。筋肉の収縮が筋力向上につながり、やがて腰を持ち上げられるようになります。さらに難しくしたい場合は、膝を伸ばし、肘と足で体を支えましょう。
おすすめポイント: サイドプランクは通常のプランクを補完する、バランスの取れた体幹を作るための優れたエクササイズです。両方を組み合わせることで、より強い体幹が得られます。
3. ウォールシット
ウォールシットは、太ももの前側にある大腿四頭筋(太ももの前側の筋肉)を集中的に鍛えます。プランク同様、すぐにきつくなり、やがて脚が震え始めるでしょう。
実践のポイント: 滑りにくい靴下やシューズを着用してください。
ステップ1: 壁に背中をつけ、足を壁から約60cm離して立ちます。股関節と膝が90度になるまでゆっくり腰を落とします。横から見ると、見えない椅子に座っているような姿勢になります。
ステップ2: この姿勢を60秒維持することを目指します。難しい場合は、できる時間だけ保持してください。60秒、または可能な限り長く保持することで1セットです。3セットを目標にしましょう。
うまくできない場合: 90度まで曲げられない場合は、浅い角度から始めてください。続けるうちに徐々に強くなっていくでしょう。
おすすめポイント: ウォールシットは、「立ち上がるための筋肉」と体幹を効果的に鍛え、足元の安定感向上にも役立ちます。
4. 重りを使ったグルートブリッジホールド
定番のグルートブリッジ(お尻上げ運動)は非常に効果的ですが、このルーティンでは軽い重りを加え、保持時間を延ばしてさらに効果を高めます。
ステップ1: 膝を曲げ、足裏を床につけた状態で仰向けになります。約1kgの重りを骨盤の上に置き、両手で支えます。
ステップ2: 膝から肩までが一直線になるまで腰をゆっくり持ち上げ、重りがずれないよう支え続けます。その姿勢を60秒保持してからゆっくり下ろします。最初は60秒維持できなくても問題ありません。できる範囲で最大60秒を目指してください。
ステップ3: 持ち上げて、60秒または可能な限り長く保持し、下ろすまでで1セットです。60秒を3セット行うことを目標にしましょう。
うまくできない場合: 完全なブリッジ姿勢が難しい場合は、無理のない範囲まで腰を上げてください。まったく上がらなくても、まずは動かそうとすることが大切です。必要な筋肉に力を入れるだけでも筋力強化につながり、やがて完全な姿勢ができるようになる可能性があります。
おすすめポイント: 重りを使ったグルートブリッジは、体幹とコアの筋肉を強化する優れた運動です。負荷と保持時間を加えることでさらに効果が高まり、特に硬さに関連するタイプの腰痛改善に役立ちます。
5. ベアクロールホールド
ベアクロールは、床を移動しながら行う一般的なエクササイズで、関節に問題がない人には非常に効果的です。体幹・腕・脚に対して優れた負荷を与えます。このエクササイズでは、移動せずにその姿勢を静止保持することで、同等の効果を得ます。
ステップ1: 四つん這いになり、つま先を立て、かかとを上げます。膝への負担を減らすため、膝の下にパッドを敷いても構いません。
ステップ2: 膝をゆっくり床から浮かせ、手と足で体重を支えます。
ステップ3: この姿勢を60秒維持してから床に戻ります。60秒できなくても問題ありません。できる限り挑戦してください。
ステップ4: 60秒、または可能な限り長く保持することで1セットとなります。3セット行うことを目標にしましょう。
うまくできない場合: より安定感が必要な場合は、手と足を少し広めに開いてください。
おすすめポイント: 静止した状態で行っても、ベアクロール本来の優れた効果はまったく損なわれません。
これらのエクササイズは、ほとんど動かなくても、身体的な機能向上に大きく役立ちます。非常に効果的ですが、成果を得るには継続が不可欠です。週に最低3回、理想的には5回行うことをおすすめします。組み合わせとして非常に優れたエクササイズセットであり、動きに慣れてくるほど、その良さを実感できるはずです。
(翻訳編集 井田千景)