【独占】その支援は罠だった 中国の秘密警察が使う「撒き餌」工作
小さな利益や支援で信頼を築き、偽組織や協力者を通じて相手を取り込む……。中国の国家安全・公安当局の内部資料は、こうした「撒き餌」工作の手口を記している。本記事は歴史的事件や海外の調査報道、台湾の情報戦研究をたどり、人の切実な願いや人間関係が監視・統制に利用される仕組みを検証する。
釣り人は釣り糸を垂らす前に、まず餌をまく。同じ場所に餌をまき続け、魚にそこで餌を探す習慣をつけさせるのだ。中国語では、これを「打窩(ダーウォ)」と呼ぶ。近年、中国の国家安全当局や公安当局(中国の警察組織)の幹部の間でも、小さな利益を餌に少しずつ相手の信頼を得る工作を「打窩」と呼ぶようになっている。
中国共産党の政治警察の内部資料には、この手口がすでに体系的にまとめられている。「巣を作って鳥を呼び、網を張って魚を捕る。偽の組織を設け、連絡ルートを握る」。迫害を受けた人は助けを求め、亡命者は住まいと仕事を必要とし、抵抗する人は仲間を探す。政治警察にとって、こうした切実な願いは全て相手に近づき、利用するための入り口となる。
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