AI生成コンテンツが急増する時代、人間が生み出す「本物」の価値はどう変わるのか。ジェボンズのパラドックスから、AI時代の創造性と希少性を考える

AIが普及するほど人間の創造性は価値を増す? ジェボンズのパラドックス

経済の世界では、直感に反する現象がしばしば起きる。中でも分かりやすい例が、既存の資源をより効率的に使えるようにする技術革新である。直感的には、効率が上がれば資源の使用量は減るように思える。だが現実には、逆に増えることがある。

これは「ジェボンズのパラドックス」と呼ばれる。蒸気機関をめぐる有名な議論に由来する。蒸気機関の登場によって、石炭をそれまでよりはるかに効率よく利用できるようになった。当時は、石炭の使用量が大幅に減り、石炭産業の生産も縮小するとの予測が広がった。

しかし経済学者ウィリアム・スタンレー・ジェボンズは逆の見方を示した。石炭を以前より効率よく使えるようになれば、その用途が広がり、結果として石炭への需要はむしろ増えると考えたのである。

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